丸の内に出たらスープカレーを食べて
久しぶりに三菱一号館美術館へ。
現在開催中なのは「上野リチ」展。
上野リチさんとは今回初めて知ったのだがオーストリア生まれのグラフィック・デザイナー。
1910年代にウィーン工房に入り、1925年に日本人建築家と結婚して来日、京都を中心に活躍した人なのだ。
ウィーン工房はウィーン分離派とも関係が深く、アールデコの先駆けのような存在なので趣味にぴったり。
ということでこの展覧会に行ってみたのだが、リチさんのデザインは「かわいい」。
以下、展示品は撮影不可なのでネットから拝借。
工房ではテキスタイル・デザインを主に担当していたようだが、植物をモチーフにしたものが多く、後年になるほどカラフルになって行く。
まるで落書きのようなタッチの絵がとにかくかわいくて
日本の屋台などをモチーフにしたものもキュート!
日本の影響では金箔、銀箔を使った屏風がとても素敵で、
ついお土産にクリアファイルを買ってしまった。
七宝の小箱やマッチ箱カバーもまったく時代を感じない。
リチさんは戦時中も日本にいたそうだが、出身国のオーストリアがドイツに加担したような形だったので迫害されなかったのだろうか。大体彼女はユダヤ系だったそうなので、生国にいたらそれこそ大変なことになっていただろう。
いずれにしろ戦前から日本に暮らすというのは並大抵の苦労ではなかっただろうと思うが、かわいいもの好きの日本はリチさんに合っていた、と言えるのではないか。
美術館の中で復元された建物の屋根裏がのぞける一室だけは写真撮影可。
作品に登場する魚や鳥もやっぱりかわいい!
細かいものを展示するにはぴったりのこの美術館、平日昼間でも多くの観覧者で予想よりも混んでいたが、お客の90%は女性だった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。