仏像友達(?)、Trintrinさんに教わって、半蔵門ミュージアムに初めて行ってみた。
場所は地下鉄半蔵門駅すぐ上。
立派なビルの玄関に入るとすぐに受付があり、初めての来館だと告げると丁寧に館内の案内をしてくださる。そしてこのミュージアム、なんと入場無料なのだ。
館内は撮影禁止なので以降の写真はパンフレットからのものだが、展示室は地下1階にあって、薄暗い中、絶妙にライティングされてまず迎えてくれるのはガンダーラの浮彫たち。
7点ほど並んだこれがどれもとても石を彫った物とは思えないほど繊細な表情で、驚くほどの高品質。
そして次に迎えてくれるのがこのミュージアムの目玉、運慶作と推定される大日如来像。
思ったよりも小さな像だが、威厳がありながら優美で見飽きることがない。運慶作だろうとなんだろうと、素晴らしい仏像。
常設展に続いては特別展で、現在は堅山南風の「大震災実写図巻」が出ている。
これは今年が関東大震災からちょうど100年だからの展示だが、一見コミカルにも見える墨絵がよく見ると悲惨な状況を映していて、中には震災後の自警団によるリンチの絵まであるのだが、ここだけはオリジナルの展示はなく、小さな写真だけ出しているのは何に対する忖度なのだろう。
展示室は小さいがとにかく質が高く、エレベーターで3階に上がるとこちらには立派なシアターがある。
フカフカの椅子で拝見したのは「大日如来坐像と運慶」という20分ほどの映画。これがまたお金をかけて作っているのがすぐにわかるいい出来。
2階には絵葉書と書籍を並べたショップがあって
ここで思わずこんな本を買ってしまった。
何年か前に運慶と快慶の展覧会を続けてみて、天才運慶のすごさに圧倒されたのだ。
短い時間ながら上品な半蔵門ミュージアムを堪能させていただいたが、この美術館の母体は「真如苑」なる仏教系の宗教団体。
幸いにして美術館内に宗教臭さはないが、ここといい、以前訪れたことのあるMiho Museum、あるいは熱海のMoa美術館といい、新興宗教はどれだけ集金マシーンなんだ、と考えずにはいられない。
欧米でも歴史ある大きな教会には立派な美術館が付属していることがよくあるが、私設美術館はたいてい大富豪の個人美術館で新興宗教団体のものは見たことがない。
日本の宗教法人がそれだけ税制で優遇されている証拠だと思うが、最近また騒がれている某宗教団体のようによその国に持って行かれて怪しい一族に贅沢されるよりはましだろうか。
なにはともあれいい目の保養ができて、Trinさんに感謝。
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