Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ザンスカール ちょっとまじめな話

2007-02-25 02:23:39 | チベット文化圏
ラダックのレーから一日走ってたどり着くカルギルはパキスタンとの国境からわずか4キロ。戦争の時には砲撃を受けるところなので、当然この地域にはインド軍が多く駐留する。

ラダックやザンスカールがインドの一部であること、インド軍が多くいることをどう思うかガイドに聞いてみた所、パキスタンや中国から守ってくれる大きな傘として受け入れていると言う答えだった。以前ラダックを訪れた際のガイドも、ラダックだけでは経済的に立ち行かないこと、インド政府は辺境地区への優遇策を採っていることなどを挙げて、インドの一部であることに満足していると言っていた。中国政府に対するチベット人の感情とは、歴史的経緯から言っても全く違うだろう。建前だけの答えではないと思った。

しかし、だからと言って問題や衝突が全くないわけではもちろんない。

カルギルのあたりまで来ると、住民はバルチスタン系のイスラム教徒がほとんどになる。パキスタンのフンザ辺りの人たちと同じで、女性はエキゾチックな美人ぞろいだ。
 

冗談半分でザンスカール人ガイドに「このおねえさんたち、素敵だと思わない?」と聞いた所、真面目な顔で「イスラム教徒をそのような対象として考えることはできない」と言う。この男はジャンムーの大学で経済学を学ぶインテリなのだが、それでもイスラム教徒は感情的に受け入れられないと言うのだ。

さらにジャンムー&カシミール州はイスラム教徒が公務員などの職を独占しており、席に空きが出ても彼等は縁故採用しかしないので、仏教徒は大学を出てもいい職に就けないと言う。

イスラム教徒は仏教徒を見下し、そのイスラム教徒をヒンズー教徒がまた見下す。
宗教感情はまったく厄介だ。

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