Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

バレエ・リュス展@国立新美術館

2014-08-09 14:01:00 | 機内食・映画・美術展
暑い、暑いと連日引きこもっているのもなんなので、久しぶりに六本木にお出かけしてみた。

出向いた先は国立新美術館。
現在オルセー美術館展を開催中で、平日にもかかわらず大した人出だったが、自分はへそ曲がりなのでそちらへは行かず、
 ニジンスキーの薔薇の精が出迎えてくれるこちらへ。



バレエ・リュスはロシア人のディアギレフが1909年にパリで立ち上げ、彼の死の1929年に解散したバレエ団。
その後も同じくロシア人のバジル大佐と言う人によってバレエ・リュス・ド・モンテカルロというバレエ団が後を継ぐ形で1950年代まで活動したそうだが、バレエ・リュスはディアギレフという独裁者の圧倒的な美意識がさまざまな才能を使いこなして成立していたバレエ団だったということがコスチュームのみの展示からでもよくわかる。

目玉はもちろんバレエ団のスターだったニジンスキーが実際に着用した衣装。
以下の写真は博物館HPより
 これはインドの神様の衣装だそうだが、ビーズやら刺繍やらで飾られた凝ったもの。 袖の腕まわりが意外にも小さくて、ペトリューシカの衣装を見てもかなり小柄な人だったようだ。

この衣装のデザイナーがレオン・バクスト。
  
バレエ・リュス初期の濃厚なオリエンタル趣味に大きく貢献した人で、この人が描いたパンフレットの表紙やデザイン画も素敵。

ディアギレフがバクストに飽きると、マティスやピカソ、キリコなどの有名画家にも舞台や衣装のデザインを依頼したようでそのラインナップも見事だが
  ナタリア・ゴンチャローワという女性デザイナーのタツノオトシゴとイカの衣装がかわいい!

 衣装の中には今でもちょっと着てみたいようなものもあって、広い会場ではないが全140点、細部まで見ていると見ごたえがある。

バレエ・リュスはパリなどで人気を博したものの経営的には大変だったそうで、それは衣装だけでもこれだけ凝りまくれば当然でしょう、と素人でもわかる。会場のパネルに「ディアギレフは放蕩者だった」という記述があったが、この人にますます興味を持ってしまった。

オーストラリア国立美術館所蔵というこのコレクション、キャンベラにある美術館だし常設展示はしていないようなので、珍しいものが見られてよかった。


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