Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

冬の奥飛騨 4 槍見館

2020-03-05 15:58:41 | 国内旅行

中崎山荘でお湯を堪能した後、ロープウェイ駅の前から今夜の宿に電話。
一番近いバス停まで迎えに来てもらえると思ったら「そこまで迎えに行きます」とのこと。

10分も待たずに若旦那とおぼしきお兄さんが来てくれておしゃべりするうち宿に到着。
  
 「秘湯を守る会」の提灯と狸が迎えてくれる「槍見館」

記帳をするとすぐに囲炉裏端に案内されるが、築200年の庄屋屋敷を移築したと言うこちらの天井が美しい。
  
 案内を聞きながらいただいたクッキーとホットレモンも美味。
 
帳場の前には飲み物が冷やされているが、これは飲んだら帳場のノートに記入する自己申告制。

 
階段を上がって小さな読書スペースの脇の今夜のお部屋へ。

 
10畳のお部屋にはすでに布団が敷かれ、暖房がよく効いているうえにこたつまである。
 
この部屋も天井の梁が立派で、窓からは宿の前を流れる川の対岸が見えるだけだが、窓際に置かれた椅子の座り心地がとてもいい。

一息入れたら早速お風呂へ。何しろこの宿にはお風呂がたくさんあるのでのんびりしてはいられないのだ。

  
食事処の前の長い廊下を通り、階段を2つほど降りて、内湯の脇をさらに降りていく。
外湯への階段には大きな石が並べられているが、これは草履では危なっかしくて、ここは足の悪い人には厳しそう。

まず向かったのは混浴ながらこの宿自慢の「槍見の湯」。
 脱衣場はちゃんと男女で分かれているし、部屋には湯浴み着が用意されているので女性専用時間でなくても問題なし。
 
大きさは15,6人は入れるだろうか、思ったほど大きくはないが確かに前方に槍ヶ岳が見えて、40℃のお湯なのでゆっくり入っていられる。
温泉は無色透明、無味無臭の単純泉。くせがなさ過ぎて真湯のようだが、この景色は代えがたい。
 よく見るとさっき乗ったロープウェイもしっかり見えて、向こうからも望遠鏡でも使えば見えるだろう(笑)。

幸いにして他のお客さんはどなたもいらっしゃらなかったが、
 すぐ隣にあるので女性専用の「岩見の湯」にも行ってみる。
 
こちらは周りをしっかりよしず張りの壁で覆われているのだが、正面にはちゃんと槍ヶ岳が見えるように作られていて、洞窟の中のようなこの岩風呂はおこもり感が気持ちいい。

 さらにもう一つの混浴露天、「まんてんの湯」へ。
こちらもちゃんと脱衣場が分かれていて、女性側から入ると途中に大きな岩があるので入りやすいが
 
浅くて大きいせいかお湯がぬるくて、川べりにカップルもいらっしゃったので早々に退散。

 この先はそれほど広くはない敷地だが4つも貸切風呂があって、ちょうどどれも空いていたので写真を撮らせてもらい、夜から明朝までにすべて入ってきた。

 まずは「渓流の湯」。
貸切風呂はどれも「空いています」の札があれば入ることができ、この札を鍵にする。
この仕組みは北海道の「銀婚湯」と同じ。お風呂の造りなどもおそらくあちらを参考にしたのではないかと思われる。
  
ここは名前の通り川のすぐそば。八角形の湯舟は二人でやっとという大きさだが、その分かけ流しのお湯の新鮮さはたぶんここが一番。

もう一つ川沿いにある「播流の湯」。
 
こちらは4,5人は入れる大きさで、石造りではあるが中に木のベンチがあるので座り心地よし。

 こちらは露天ではない「森の湯」。
 
ブランコや滑り台があって子供連れを意識しているような造りだが、すべて木の浴槽が気持ち良くて夜入ると落ち着く。

 
最後の「ほたるの湯」も屋内の貸切。風情のある造りだがコンクリートの浴槽は座ると肌触りがあまり良くなくて、ここはいまいち。

最後に内湯はこちら。男女で上下になっているが入れ替えはなし。
  
 
浴槽が2つある、大きい方は自家源泉の槍見の湯でこちらはちょっとぬるめの単純泉。小さい方は共同の混合泉で炭酸水素塩泉だそうだが、1,2℃温度が高い他はあまり違いは感じず。
ここも大きな窓から槍ヶ岳がばっちり見えて、槍見館の名前に偽りなし。

あちらこちらと入りまくって、夕食は18時半から食事処の個室で。
 
まずはどぶろくととんぶりのかかったモッツアレラをいただき、
 
前菜は山菜がいろいろ。土瓶蒸しにはイワナと鶏肉が入っていて、お出汁がおいしい。
 お造り代わりに飛騨牛の冷しゃぶサラダ。
 
炭火焼のイワナの上に載っているのは紅ショウガのてんぷら。
 
牛すじと野菜のスープ仕立てが来て、囲炉裏の陶板で焼かれていたのは漬物焼き。岐阜の名物だそうだが、漬物に溶き卵をかけてバターを乗せて焼くのでまるで漬物っぽくない。
 さらに飛騨牛のすき焼きが来て、この2日間でどれだけ飛騨牛を食べたことか。普段さしの入った牛肉は好きではないのだが、しつこさを感じずにペロリと食べてしまったのはさすがブランド牛だからか。
 
最後にイチゴプリンまで完食してしまって、もうお腹ははちきれそう。

どの料理もとてもおいしくて満足だったが、残念だったのはお給仕の中国人のお姉さんが料理の説明などまったくできず、漬物ステーキなどどうやって食べるのかわからなかったところ。
しかし記帳の時に若旦那とスタンプ帳にあった「白根館」の話になり、人手が足りなくて閉館するらしいと言うと「うちもそうです~」と辛そうに言っていたのを思い出すと責める気にもならない。

料理長のためにも、お姉さんにはがんばっていただきたい。


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冬の奥飛騨 3 宮川朝市と新穂高ロープウェイ

2020-03-02 17:44:46 | 国内旅行

高山の朝。

 
とても立派な大イチョウのある飛騨国分寺にちょっとお参りして
 
宮川朝市へ。8時過ぎにやって来ると屋台はほぼ出揃っているようだが、お客さんはまだまばら。
 それでも前日の夕方には閉まっていたお店もみんな営業していて、この通り沿いは午前中だけ開いているらしい。

さて、どんなお店があるのかと覗いて歩くと
 
多いのはお漬物や民芸品の屋台。
 中にはこんなかわいらしい大福やクッキーのカップに入ったコーヒー、クレープの店なども出ていて若い女の子たちに人気の様子。

プリンの店も何軒かあって、うち一軒で温かいプリンを一つ所望。
 
このお店、タイのテレビでも紹介されたようで、「誰だかアイドルが来ていたよ」だそうだ。
 
こちらは固いマシュマロに卵液を付けて焼いたような甘いお菓子。
 さらに飛騨牛入りコロッケで変な組み合わせの朝食終了。

 手ぶらでは帰れないので漬物に実山椒、豆板などお土産に。

それにしても感心したのはお店の人たちが英語堪能なこと。おばちゃんなどまずは英語で話しかけて、「あ、日本人だった?」なんて言っている。
聞けば最近は80%ぐらいは外国人観光客だそうで、この1か月ほど中国からのお客さんが来なくなってしまったので日本人が目立つようになったのだとか。
日本の国際化は有名観光地から始まるのだ。

次第にお客さんが増えてきた朝市を離れ、バスターミナルへ。
 9時40分発の新穂高ロープウェイ行きは満席で出発。
 平湯から先は地面が白いが、空は晴れ渡って真っ青。
 スケジュールより25分遅れ、高山からちょうど2時間かかって新穂高ロープウェイ駅に到着。

 
すぐに往復2900円なりのチケットを買って並ぶと、次の便まで20分待つ間にこのロビーもいっぱいになった。

 
満員の第一ロープウェイは急こう配を上がるが乗車時間はわずか4分。
 
鍋平高原駅に着いたらぞろぞろと雪の中をちょっと歩いてしらかば平駅へ移動。
 
この先の第二ロープウェイは日本で唯一の二階建てなんだそうだ。

こちらは全長2598mあるので所要時間7分。
 
上がるにつれて素晴らしい景色が展開して、お客さんたちから歓声が上がる。

終点の西穂高駅口駅に着いたら早速駅頂上の展望台へ。
 
 最高のお天気で周りがぐるりと見渡せ

左の高い山は活火山の焼岳、右手奥には霞んでいるが立山連峰も見える。

ロープウェイの向こうにそびえるのは笠ヶ岳。

一番高く見える西穂高岳の右の稜線には西穂山荘が見えるし
 これだけは自分にもわかる、槍ヶ岳の尖った頂上もばっちり。

素晴らしい眺望に同じような写真を撮りまくってしまうが、風が吹くとさすがに寒い。
 何しろ標高2156m、気温はー10℃だそうだから無理もない。
と言うことで下の食堂に降りて昼ごはん。
 
昨晩も飛騨牛だったのに、また飛騨牛めしを選んでしまった。飲み物はオコジョ型ティーバッグの玄米茶。

 山頂滞在1時間でまたロープウェイを乗り継いで下山。

しかしまだここを離れるわけにはいかない。なぜならロープウェイを降りた途端に硫黄の香りがするここには温泉が湧いているので
 
ロープウェイ駅からほんの少し下ったところにある「中崎山荘」へ。
ここは以前は旅館だったところが日帰り専門の温泉施設になったのだそうで、料金は900円。

下足入れのカギと引き換えに脱衣場のロッカーのカギをいただき、浴室に入ってみると
 内湯は白濁したお湯で硫黄の香りがプンプン。湯の花もたくさん沈殿していて、温度は40℃の適温。

ここから露天に出ると
 
こちらは内湯の半分ほどの大きさだがお湯は透明、白い消しゴムのカスのような湯の花が舞っていて、しかし目を引くのは目の前の竹の壁。これは熱いお湯をここに通すことで温度を下げる装置だそうで、今回同伴のラッコちゃん温度計によると壁を通ったばかりのお湯は50℃、外気の冷たい浴槽内は40℃と絶妙に温度調整されていた。
 目の前には白い雪山も見えて、これは素晴らしい。

この内湯と露天、脱衣場にあった分析表によるとそれぞれアルカリ泉と硫黄泉で別々の源泉なのだそうだが、硫黄泉ではないはずの内湯の方が香りが強い。
 それというのも6年前の地震以来、2つの温泉脈がつながってしまい内湯も硫黄泉になってしまったのだとか。

温泉は繊細、だがとにかくいいお湯に入れた。


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