Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

スコットランド紀行 15 House for an Art Lover

2024-07-05 16:33:14 | ヨーロッパ

5月26日

宿の朝食は1階のパブでいただく。
 
残念ながらフル・スコティッシュ・ブレックファーストではないけれど、たっぷりとフルーツが用意され、クロワッサンがちょっと驚くおいしさ。何よりかわいい男の子がおいしいコーヒーを淹れてくれるのがうれしい(笑)。

 
今日は残念ながら朝から雨。
傘をさして地下鉄駅を目指し
  
途中、アール・デコ様式だというプリンセス・スクエア・ショッピング・センターを覗いてみる。
中には入れたがお店はまだ営業準備中。いずれにしろ高級ブランドショップに用はない。

さらに少し行くとグラスゴー中央駅が見えてくる。
昨日見たクイーンズストリート駅がエジンバラなど主にスコットランド内の列車が発着するのに対して、こちらはイングランドからの列車が入ってくる所。
  
 
改札は自動ゲートになっているが、ガラス天井や売店がクラシックでいかにもターミナル駅らしい。

今日もまた地下鉄に乗って、今回はクライド川を渡った南側、Ibroxという駅で降りる。
Google先生と相談しながら15分ほど歩くとBellahouston Parkという公園に入り
 
芝生の中になぜか大きな象が見えたら、そのお向かいが目指す場所。

  
 
House for an Art Lover と名付けられたこの家はマッキントッシュが1901年にドイツでのコンペのためにデザインしたもの。ただし実際に建てられたことはなく、1996年になって残されたデザイン画や他の家を参考に再構築されたのがこの施設なのだ。

 
1階の入り口を入ると売店があり、その奥は広いカフェになっている。
この売店で入場料(割引で£7.5)を払って2階に上がる。

 
するとスタイリッシュな廊下が目の前に伸び、すぐ左手の部屋ではこの家に関する資料やビデオを見ることができる。自分は面倒なので使わなかったが、受付ではオーディオガイドも渡してくれて、日本語もあったような気がする。

この隣の部屋は小さなオーバル・ルーム。
  
名前の通り、楕円形をしたこの部屋は正式なディナーの後、女性たちが一息入れるための部屋。
 
なので壁も家具も白く、カーブが優しくて女性らしい。

この隣の部屋も真っ白だが、広いこちらはミュージック・ルーム。
 
片方の壁際に凝ったデザインのピアノがあり
 
反対側の壁の暖炉、部屋の外の暖炉のデザインもかわいい。

このミュージック・ルームの向かいは大きなホールになっていて、その先にあるのがダイニング・ルーム。
  
 
こちらは壁も家具も黒っぽくクールで 
  
 
しかし暖炉や、マーガレット夫人による天井下のフリースは甘い。

マッキントッシュ・スタイルによる再構築とはいえここでは照明器具や窓のデザインまで凝っていて
   
 あちらこちらにはめ込まれたステンドグラスまで素敵すぎる。

貸し切りでパーティーなどに使われることもあるというこの施設、期待以上の楽しさで、見学できてよかった!


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スコットランド紀行 14 マッキントッシュ・ハウス

2024-07-04 14:18:34 | ヨーロッパ

5月25日 続き

ケルビングローブ博物館を出たらケルビン川を渡ってグラスゴー大学の構内へ。
  
 1451年に設立されたというグラスゴー大学、現在の場所に移転したのが19世紀後半とのことで、広い構内には威厳たっぷりの校舎が並ぶ。

しばらく歩いてたどり着いたのは図書館の隣に建つハンテリアン美術館。
 
美術館本館は入場無料だが、付随するマッキントッシュ・ハウスは有料。どこでも65歳以上は割引になることが多くて、ここも£10 が£6に。証明書を求められることもない。

マッキントッシュ夫妻はこの場所からすぐ近くの家に8年ほど住んでいたそうで、その家は取り壊されてしまったがその内装を忠実に再現したのがこの施設。
  
入場口の解説を過ぎると玄関ホールがあり、左手に入るとダークな色調のダイニングルーム。
  
 
2階は明るい居間とスタジオになっていて、天井の照明がおしゃれ。
 
3階はやはり白基調のベッドルーム。
 
さらに別の家のベッドルームが再現され、オリジナルの家具もいっぱい。
100年以上前のデザインだが、直線的でありながらかわいいマッキントッシュのデザインは今でも古さを感じない。

家の見学を終えたら本館のギャラリーへ。
 
ワンフロアの小さな美術館だが落ち着いた赤い壁がシックで
 
マッキントッシュ夫人のフリースもあるし、シャルダンのお茶を飲む女性の絵の周りにティーカップが並んでいるのもかわいい。

しかしこの美術館の自慢はホイッスラーのコレクションで、油彩だけでも80枚も所有しているとか。
   
 縦長の肖像画のイメージが強いが、ちょっとターナーを思わせるこんな風景画もあって、この美術館もいい。

また地下鉄に乗って、一番の繁華街であるブキャナン・ストリートへ。
 
土曜日の午後とあって歩行者天国は人でいっぱい。
  
周りの建物は重厚感いっぱいで圧倒される。
 
古い建物が並ぶ中、ガラス張りで目立つのは鉄道のクイーンズストリート駅。

 その前にはスコットランドの著名人の銅像が並ぶジョージ・スクエア。
 
ひときわ高い所にいるのはウォルター・スコット。広場の向こうの立派な建物は市役所。

この広場の南東側はマーチャント・シティと呼ばれる地域。
  
 
18世紀以降、大英帝国の最盛期に商業倉庫やオフィスが作られたということで一段と立派な建物が並ぶが、今は再開発でお店や飲食店になっている。

この一角のパブがグラスゴーでの宿、Rab Ha's。
  
パブの脇の階段を上がると宿泊エリアのロビーになっていて
  
 
案内された部屋は2階。まあまあの広さがあるのは良かったが、衛星テレビが複雑すぎて地上波が見られず、シャワーがお湯になるのにものすごく時間がかかるのには参った。

この週末は3連休で、案内してくれたお兄さん曰く「今夜はサッカーの大きな試合があるからうるさいかも」って、だからホテルになかなか空きがなかったのか。

悪名高いイギリスのサッカーファン、アルコールを出すところはやばそうなので今夜は中東料理の店にしてみた。
 
家族連れやスカーフ姿の女性たちもいる中、お勧めの羊料理を頼むとすごいのが来てしまった。ピラフの山の上に大きなすね肉がドンと乗っているが、これがホロホロと骨から外れてすごくおいしい。
日本ではなかなか食べられない羊、外で見つければ思わず頼んでしまうが、さすがに食べきれなかったとはいえこれには大満足。スープ付き、お茶も頼んで£16。

早めに宿に戻ったが、意外に外の音は聞こえず、よく寝られた。


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スコットランド紀行 13 グラスゴーへ

2024-07-02 16:41:14 | ヨーロッパ

5月25日

今日から3日間は単独行動でグラスゴーへ。
ちょうどレンタカー事務所の真ん前にバス停があったので、車の返却をする時に降ろしてもらって無事に2階建てバスに乗ることができた。
 
事前にネットで予約して料金は£9.9。1本前に間に合ってしまったが、問題なく乗せてもらえた。
高速を飛ばして1時間10分。
 
到着したブキャナン・バス・ステーションは大きなターミナルだ。

 出ると周りはオフィスビルの並ぶエリア。
写真ではわからないがこの先は急な下り坂になっていて、下った先が旧市街。

到着したのが11時、宿に荷物を置かせてもらって早速第一の目的地へ移動開始。
歩いて10分弱のSt. Eunochの地下鉄駅へ。
 
グラスゴーの地下鉄は山手線のような環状線1本。内回りか外回りしかないので簡単至極。
1回乗車券は£1.8、一日乗車券が£4.3。
 
ホームに降りて列車が来ると「ちっちゃ!」
 
背が低くて男性はかがまないと入り口で頭をぶつける。乗り込んでも真ん中でないと背の高い人はまっすぐ立てないほど。車内は大江戸線より狭いが頻繁に来るので便利だ。

 
Kelvinhall駅で降りて少し歩くと目的のケルビングローブ博物館が見えた。

が、その前に腹ごしらえ、とすぐお向かいにある Mother India Cafe へ。
  
落ち着いた店内でまずは水を所望。スコットランドでは日本同様、どこでもただで水道水を持って来てくれるのでありがたい。
 カレーは本日のメニューから仔羊とリーク。
グラスゴーはカレー屋が多いことで有名で、中でもMother Indiaは老舗らしく、ここはその系列店。辛さもほどよく、チャパティ、ラッシーも頼んで£16。

 お腹を満たしたらいざ、博物館へ。
 
こちらは入場無料、入り口を入るといきなり豪華なロビーでちょうどパイプオルガンの演奏中。
しばらく拝聴させていただいたが、演奏会はともかく、博物館でパイプオルガンは初めてだ。

館内は博物館ウィングと美術館ウィングに分かれていて、まずは美術館サイドへ。
 
スコットランド人作家の絵が並ぶ中、19世紀末の日本ブームの作品も面白いが、突き当りにやっとお目当てが。

マッキントッシュとグラスゴー・スタイルの部屋。
  
  
チャールズ・レニー・マッキントッシュはグラスゴー出身の建築家。20世紀の初め、アール・ヌーボーの時代に活躍した人だが、アール・デコに近いデザインを昔ロンドンのV&A美術館で見て気に入り、だからその作品の多いグラスゴーにぜひ来たかったのだ。

この部屋の展示は家具が多いが、グラスゴー・スタイルの解説がくわしくて、マッキントッシュの建築を飾るフリースは奥さんのマーガレットが担当していたと初めて知る。
 
 
この奥さんとその妹もすごい才能の持ち主だったらしい。

マッキントッシュをじっくり勉強したら、後は広い博物館内をざっと。
  
 面白そうなものはなんでも集めてみました、という雑多さがいかにも古い博物館らしく
 
中でこの太陽系模型が面白いが、1833年にこれを作ったJohn Fultonは13歳で学校をやめた靴屋だったとか。

 しかしこれは、う~ん、よくわからん。


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