文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

広島東照宮(広島市を歩く146)

2015-03-22 16:52:12 | 旅行:広島県



 写真は、広島駅の新幹線口から5分程度歩いたところにある「広島東照宮」だ。「東照宮」と言えば、日光、久能山をつい連想してしまうが、実はあちらこちらに結構存在している。もちろん祀っているのは、徳川家康だが、浅野氏支配の広島にどうしてあるのだろうか。

 答えは、浅野家4代の浅野光晟の生母が家康の第三女に当たる振姫だったから。つまり、浅野家の血筋は家康の血筋でもあるのだ。徳川幕府は、外様大名に対して、こういった方法で、縁を深めていたのである。広島東照宮が建立されたのは、家康の33年忌に当る慶安元年(1648)という。




 中国地方では、他にも、やはり徳川の血を引く鳥取池田氏の城下町である鳥取市にも、東照宮が存在する。これは、知らなかったが、調べてみると、岡山市にも玉井宮東照宮というのがあるようだ。

 


 家康ゆかりの東照宮ということで、石灯籠にも、しっかりと三つ葉葵の紋が入っている。これだけ駅から近いのに、訪れたときには他に人もおらず、ひっそりとしていた。観光都市をめざす広島市なら、もっとこのようなところをPRすべきではないだろうか。交通の便も良いのに、観光資源として活用されていないのは、なんとももったいない。  
 


○関連過去記事
お好み焼きなかき屋(広島市を歩く145)
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探偵の探偵3

2015-03-22 16:42:33 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
探偵の探偵3 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


 妹の咲良をストーカーに殺され、その死に関わった探偵を探し出すために「探偵を探偵する探偵」になった紗崎玲奈を描いた、バイオレントサスペンス。「探偵の探偵」(松岡圭祐:講談社文庫)の第3弾だ。この巻では、いよいよ、その因縁の相手と決着がつく。

 この作品に出てくる探偵は、決して明智小五郎や金田一 耕助のような、正義の名探偵ではない。不法行為は当たり前。描かれている探偵の仕事とは、まさに不法行為そのものなのだ。玲奈が対峙するのは、依頼者から、詐欺のような手段で高額報酬を巻き上げたり、犯罪者に加担するような悪徳探偵。玲奈は、傷だらけになりながらも、そんな悪徳探偵たちを狩っていくダーク・ヒロインである。

 作品の中で玲奈たちが使う手口は驚くべきものだ。ターゲットに関する情報を得るのに、何をどのように調べれば良いのか。どのように、標的のプライバシーを覆うベールを引きはがしていくのか。その手口は、現代社会の危うさを、これでもかというくらい見せつけてくれる。本当にこんなことをオープンにして良いのだろうか。考えてみれば、とてもこわい小説である。

 最初にひとつ前振りのような話が入っているのだが、本筋の話の方は、DV被害者の1人である市村凛が、刃物を振り回した夫の沼園賢治に追われて、スマ・リサーチに駆け込んできたことから始まる。凛は、玲奈が出した覚えのない手紙を持っており、送られてきたというブックボックスにはGPSが仕込まれていた。そして、同じものが、他のDV被害者にも。

 玲奈が追いかけてきた、妹の敵・澤柳菜々。その正体は意外な人物だった。ストーリーの驚くような展開ぶりに、読者は意表を突かれるだろう。菜々に拉致された峰森琴葉に迫られた究極の選択。それは、玲奈と琴葉の切ない決別となってしまう。玲奈の歩む道の先にあるのはただ破滅のみ。それでも、玲奈は、この道を歩み続ける。ひとりぼっちで。その姿は、あまりに哀しい。

☆☆☆☆☆

※本記事は、姉妹ブログと同時掲載です。


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