文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

日本企業の休暇取得率アップ法

2015-11-12 23:41:30 | オピニオン
 日本の企業では、欧米の企業に比べて、年休消化率が悪いといわれる。欧米では、長期の夏休みをとるのは当然だとも聞くが、日本のサラリーマンは、せいぜいが1週間前後の休みだ。それでは、どうして休みが取れないのか。

 よく言われるように、「休む=悪」という風潮が蔓延しているからだろうか。確かに、ビジネス雑誌の記事やビジネス本などを見ると、「滅私奉公最高!」といった書きぶりのものがほとんどである。

 とにかく会社のために働くことが第一とされ、家庭は二の次。だから、単身赴任などというものが異常に多い。しかし、最近の会社は、昔と違って、最後まで面倒など見てくれはしない。どうして、そんな会社のために滅私奉公をせねばならぬのか。

 そうはいっても、日本人は、他人の目を気にする。特に上司や同僚の目を。自分が休めば、周りに迷惑がかかるとか、あいつは、休んでばかりいると思われるとか。しかし、休めない体制になっているのなら、それは、会社が、労働者の当然の権利を妨げるような体制を敷いているということだろう。日本の企業は、ほぼ例外なく、この意味でブラックなのである。

 この風潮を変えようと思えば、有給休暇を消化できないような企業には、ペナルティを課したり、余った休暇の買い上げを法制化するといったことが必要だろう。日本人は、お上が動かないと何もできないだけでなく、同じ労働者間で足の引っ張り合いをする。仮に、休暇の消化率が100%の会社があったとしたら、自分たちの会社をそのようにしようとするのではなく、その会社の労働条件を非難するのが関の山だろう。本当に救い難い。

 もちろん、一番いいのは、社会全体が、ワーク・ライフバランスということに重きを置くようになることなのだが。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評:神隠しと日本人

2015-11-12 12:25:57 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
神隠しと日本人 (角川ソフィア文庫)
クリエーター情報なし
角川書店


 人が突然いなくなるという、現代では単に「失踪事件」と呼ばれるような出来事。少し前の時代までは、人ならざる者により異界へ連れて行かれたのだと考えられ、「神隠し」と呼ばれた。もちろん、そのような考え方は、近代合理性とは相容れないものであり、現代ではこの言葉は死語となってしまったかのように思える。この「神隠し」を民俗学的な視点から解き明かそうとしたものが本書、「神隠しと日本人」(小松和彦:角川書店)である。

 「神隠し」を行う者は、「隠し神」と呼ばれ、それは天狗だったり、狐だったり、鬼だったりする。面白いことに、それぞれに目的が違うらしい。天狗は特に目的もなく人を連れまわすため、狐は人を化かすため、そして鬼は人を食うためと考えられていたそうだ。しかし、この「神隠し」の主体、今の感覚では、どれをとっても、「神」などではなく、「妖」と言う概念のなかに含まれそうである。一神教の世界なら、間違いなく「悪魔」の方に分類される者たちだろう。このあたりは、「神」と「人」と「妖」の境界があいまいな我が国の民俗文化の特徴のようで、極めて興味深い。

 著者は、「神隠し」には4つのパターンがあると述べている。まず失踪者が無事に発見される場合でこれは本人が失踪中のことを覚えている場合と覚えていない場合の2つに分けられる。3つめは、行方不明のまま発見されない場合。そして4つ目は、死体となって発見される場合である。本書は、色々な文献に記されている「神隠し」の物語を取り上げ、その後ろに潜んでいるものについて考察を加えながら、最後に現代的視点から、「神隠し」を覆っているヴェールを引きはがす。

 ヴェールをはがして見た「神隠し」は、自発的な失踪だったり、誘拐事件や殺人事件だったり自殺だったりと、人間社会のどろどろとした真相を私たちに見せつける。著者は<神隠しとは、こうした実世界の様々な現実をおおい隠すために作りだされ用いられた言葉であり観念だったように思われる>と述べている。「神隠し」は、失踪事件に対する解釈であり納得であり言い訳であったのだ。それは、現実の過酷さを和らげる緩衝装置の役割を果たしていたのだろう。かっての民俗社会自体が、「神隠し」というものを必要としていたのだ。

 近代合理性だけに支配される世の中は味気ない。著者は最後の方で、<現代こそ実は「神隠し」のような社会装置が必要なのではないか>と括っている。しかし、「神隠し」に代るようなものを現代社会に見出すことができるのだろうか。

☆☆☆☆

※本記事は、2012年05月02日付で、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新山口駅模様替え

2015-11-12 09:05:16 | 旅行:山口県


 実家に帰る際の最寄り駅、JR「新山口駅」が先月くらいから模様替えになっている。一番変わったのは、在来線の出口。従来は、在来線の一番外側にある山口線のホームのところに出口があったのだが、新幹線口側と在来線口側との連絡通路が完成したので、ここに出口が変更になっている。先月ここに降りたときには、そのことを知らず、山口線のホームで、出口を探して、かなりうろうろしてしまった。

 ここを出ると、右に行けば在来線口側の出口、左に行けば新幹線口の出口に行ける。これまでは、在来線口側と新幹線口側の連絡橋はあったものの、大回りをしなければならなかったのだが、これで、大分便利になった。

 また、ここを、内側から見たのが、下の写真だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする