主人公は、清川ヒロトという限海市というところにある堂心円高校の1年生。ある日、幼馴染の相田相一郎といっしょに謎の古地図を見ている時に、二人で異世界に召喚されてしまう。
そこは、異世界人はディフェレンテと呼ばれ、精霊、エルフの他に、ヴァンパイア属やミイラ族、骸骨族といった種族がいる。人間は後ろの二つと一緒に暮らしているのだが、骸骨族はまだしもミイラ族は嫌われているようだ。
ヒロトたちは、彼らを召喚したソレム城主ウルカンからヴァンパイア退治を命じられるが、そのヴァンパイアは美少女だった。意外な方法でこの問題を解決するのだが、こんどはウルカンが精霊の呪いで死んでしまう。
彼らはエルフを呼ぼうとしていた。エルフはものすごい土木技術を持っており、彼らが住み着くと町が発展するからだ。この精霊というのが、結構怖く、間違ったことをすると、呪いで人が死んだり、骸骨族に変わったりする。骸骨族とは文字通り骸骨が動いているやつである。よくラノベなんかでスケルトンが登場するが、あれを思い浮かべるといいかもしれない。但し、こちらの骸骨族は知性がある。
なりゆきでソレム城主になったヒロトだが、世話係に、知り合ったミイラ族の少女を指名する。ミイラ族とは全身に包帯を巻いている種族だ。ところが包帯の下はとんでもない美少女。
この作品から読み取れることは、人は根拠のない差別をしたがるということだろうか。嫌われ者のミイラ族に属する少女は、ものすごい美少女だ。しかしその実態を見ずに人々は差別をする。その不合理さを感じざるを得ない。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。