先ほど郵便受けを見ると、「2020年度第2学期卒業予定者に対する氏名等の確認について」という書類が来ていた。私の場合、特に変更はないので、手続きは不要だが、本当にこの確認が必用かどうかには疑問がある。私の場合今回卒業すれば6回目の卒業になる。専業学生時代も特に確認はなかったと記憶しているし、今更確認されてもという感じだ。
柴崎高等学校の生物教師である高橋鉄男は、大学で生理学を専攻し、亜人に興味があり、亜人に会いたいと思っていた。ところが、彼の勤める高校に、サキュバスの佐藤早紀絵、ヴァンパイアの小鳥遊ひかり、デュラハンの町京子、雪女の日下部雪が集まった。(ただし早紀絵は先生)。テレビで深夜アニメにもなった本作は、この可愛い亜人ちゃんが繰り広げる物語。「亜人」は「あじん」と読むのではなく「デミ」と読む。理由はその方が可愛いからだそうだ。
ただ亜人ちゃんたちの能力は大したものではない。ヴァンパイアのひかりはコウモリなんかに変身はしないし、ニンニクも大好きだ。雪女の雪は、吹雪なんかおこせないし、自分の涙や汗くらいしか凍らせられない。デュラハンの京子は、頭部が離れており、不思議な光景だが、それ以外は変わったことはない。
ただサキュバスだけは危ない。故意、無意識に関わらず催淫すると、性犯罪に結びつくことがあるからだ。だからこの作品に出てくる佐藤先生は、いつもジャージ姿。少しでも自分を魅力的に見せないようにするためだ。同僚の高橋先生のことが気になっているが、彼が自分に興味を持ったとしても、それが催淫能力のせいだろうと悩んでいる。
しかし、デュラハンの京子ちゃん。産まれた時、親はびっくりしただろうなあ。何しろ胴体とは別に首だけがポロリ。
亜人は突然変異により生まれるという設定だ。現に、ヴァンパイアのひかりの場合は、双子の妹・ひまりは普通の人間なのだ。でも突然変異なら、同じ種族が何人も別々に生まれるとは考えにくい。これは遺伝子の中にそのような因子が潜んでおり、先祖がえりをしたという設定の方がいいだろう。でも出てくるデミちゃんはなんとも可愛らしい。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。