チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

冬支度 毛布

2017年12月02日 | 日々のこと

晴、9度、55%

 暖房器具、服装、香港の冬生活とは違います。冬支度が必要です。寝具も冬支度を始めました。羽布団は手持ちの4枚で十分ですが毛布が足りないように思います。冬の声を聞く頃から毛布を探しにいきました。デパートのお布団売り場にある毛布はアクリル毛布が主流です。毛足が長いアクリル毛布は手入れも簡単で暖かだと売り場の方は勧めてくださいます。私が探しているのはウールの毛布です。秋も深まると寝具のセールのお知らせが来ました。出かけてみると片隅に数枚ウールの毛布がありました。

 寒がりの主人のためにカシミアの毛布を求めました。 数枚欲しいと思っていたのですが、セールでは5枚限定、しかも3枚が売れてしまっていました。もう1枚は色がどうも気に入りません。結局ブラウンの1枚を持って帰りました。

 羽布団は香港から持ち帰ったものと母が残してくれていたものです。毛布もたくさんありましたが、真っ白な毛布のみ残しました。息子一家がやって来て寒い思いをさせたくありません。予備の毛布を探しますが、ウールで柄や色が気に入ったものに出会えずにいました。やっと見つけたウールの毛布、お客様をお泊めすることもあるでしょうと、私には珍しく明るい色のウールの毛布を2枚買いました。 これだけ備えがあれば安心です。

 で、私の毛布は?香港から持ち帰ったものを使っていますが、一枚、予備の毛布があります。見出し写真の毛布です。これを買ったのは母です。しかも50年ほど前、私が小学の高学年の頃でした。はっきりと覚えているのですが、「この毛布は、真奈がお嫁に行くときに持たせます。」と母が父に言っていました。この毛布、オーストラリアの毛布です。もう一枚同じ時に母が持ち帰った赤とグリーンの小ぶりな毛布は、その50年前からこの家のひざ掛け毛布になりました。今も座敷のソファーに置かれています。そして、私の嫁入りのために求めた毛布は仕舞い込まれました。

 私と主人の結婚に母は反対でした。亡くなる数年前まで主人の顔も見たくないというほどでした。嫁入りのための毛布はもらえないままです。でも家に使わずに保管されていることは知っていました。私は決して母に物をくれと頼んだことがありません。母を施設に入れて家の整理を始めました。毛布は整理箱に入ったままです。見つけたときに私がニンマリしたのはもちろんのことです。「ずいぶん待たせましたね、やっと私の毛布ね。」

 私の心の底にある毛布は、この毛布です。色合い、手触り。今回買った毛布のようにふんわりとはしていません。50年前の毛布です。しっとりとした毛布です。結婚して幾度となく毛布を買いました。いつもこの毛布が胸をよぎります。残念なことにこんな素敵な色合いの毛布にはいまだにお目にかかりません。

 寒さが厳しくなったら羽布団の上にこの毛布をそっとかけるつもりです。この毛布の仕事始めが近づいています。「待たせたわね、私の毛布さん。」

コメント
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