曇り、14度、66%
まだ、息子が幼稚園の頃、息子の友達のお母さんで、お弁当にも運動会にもお母さんたちの茶の時にも、のり巻きを作る方がいました。歳の離れたお姉ちゃんがいらしたので、きっと私より随分年が上だったと思います。のり巻きも、細巻きもあれば中巻き、太巻きと何でもござれ。ある時、こんなに下準備のいるのり巻きを作るなんて素晴らしいと、言ったところ、彼女、サンドイッチの方が大変でしょう、のり巻きはそんなに手がかからないわよ、とおっしゃいます。大きなお家にご主人のご両親とご一緒の生活でした。当時、私は20代後半、その言葉を聞いた私は、いつか、のり巻きは大変じゃないわよ、と言えるようになりたいと思いました。
お昼ご飯は、基本我が家で私ひとりでいただきます。残り物、試しに作るもの、主人が嫌いで私が好きなもの、気ままな昼食です。急にのり巻きが食べたくなることがあります。酢飯と焼き海苔のあの香りが呼んでいるようです。食べるのは私ひとり、冷蔵庫を覗いても、たいしたものはありません。キュウリに卵があれば充分。お鮨の合わせ酢は、 冷蔵庫に作っておいてあります。冷たいご飯でも、電子レンジにかけて、ごまと桜えびを混ぜて寿司ご飯の出来上がり。卵だって、小さな長めの卵焼きにするだけです。巻きすでくるっと巻くとあとは切るばかり。切る時に、ほの温かなすし飯とのりとが合わさって、いい香りがします。私が作るのは、のり一枚の中巻きです。5分もあれば充分です。
これが主人でもいれば、彩りを考えて赤いものを探したりするのでしょうが、自分が満足すればいいのです。まだまだ、のり巻きは大変じゃないとまではいきません。それでも、20代の私に比べれば、巻きすとも随分仲良しになりました。そうそう、私の食べるご飯はタイ米です。日本人には馴染みのないロングライス、ここ香港でも、おにぎり、寿司には向かないお米だと言われています。粘りのないサラッとしたご飯です。でも、ご覧のようにおすしだって出来ます。
未だに、巻き寿司は大変じゃないわよ、と言えるようになりたいと思い続けている私です。