蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

アツすぎた旅

2012-12-17 | 

ばたばたばたと、旅行に行ってきた。
仕事がらみの、記念イベント。おつきあい親善行事の一環として。
なので、まったくのプライベートや、お遊びというよりは、公パブリック部分の顔が必要となる。
ということで、わたしのもっとも苦手な、人との和を保ち、協調性が不可欠。
あまり楽しみではない旅だったせいもあり、
準備は、乗らない気分の、のろのろモードに鞭打って、出かける前日の深夜からスタートした。

前に行ったことがある国、コースも、ほぼ同じ。
親日的な国、台湾。
自分のブログにも過去にアップしているので、見比べると面白い。(自分としては)

前回、行ったときは、暮れからお正月にかけてだったが、
その時は予想をはるかに超え、寒かったので、現地で衣類を調達し寒さを凌いだ。
そういう過去の苦い経験から、今回は警戒した。
まわりの声を聞く耳を持たず、天気予報を見て、高い気温であっても、
いいや、寒いに違いない、と、寒さ対策に力を入れた。

極々寒、極寒、寒冷、ぐらいの3パターンに分けて、着る服を調整できるよう準備した。
「暑い」なんていう想定は、想定外も甚だしく、まったくしてしてなかった。

空港を降りて、いやな予感がした。
むっ、ぼよーっと温い空気。
ひょっとして、コートとか、まったく、ありえない?

寒くて徐々に段階的に着込んでいく衣類は万全なのだが、
暑くて、徐々に脱いでいくパターンを用意していなかった。

着いた日は、快晴、おひさま、カンカン、あら、日焼け止めクリーム要るじゃない!?
という、暑さ。
28度だそうな。
ユニクロ・ヒートテックの、長袖シャツ&レギンス10分丈をしっかり着込み、
その上にはタートルネック長袖、さらに、チュニック、そして、ぴたっとした冬用10分丈パンツ、
首からも足首からも、熱の逃げるスキマのない、完璧・冬装束。

歩いて、お寺などを回ると、
なんともいえない、出口を失った熱気が体と衣服の間に、もわんもわんと煮え湧いてきて、
金時豆のように、赤い顔になってきた。
タートルネックの首をびろーんと、何度も延ばして、熱し溜まった空気を逃がしてやろうとするのだが、
そんな、小規模の、小手先の、とってつけたような対策では、てんで、ハナシにならない。

観光どころか、アタマのなかは、ユニクロ、ユニクロ、ユニクロ・・・・
ヒートテック、ヒートテック、ヒートテック、ヒートテック、・・・
と、呪文のように、無意味に繰り返される声にならない声が聞こえるような、もわもわ蒸れ蒸れになった。

トイレは、限られた機会にしか行けないし、トイレ本来の目的を達するのが精一杯で、
団体行動なので時間制限もあり、服を脱いで着替える、時間の余裕も、スペースの余裕もなく、
そして、大勢が、どやどや使う公衆トイレに近い設備なので、清潔・快適さもない。

何度、バスの中で、ひと目を気にせず、ヒートテックを脱ごうと思ったかも知れない。
が、わたしの、枯れ系に徹しきれない、中途半端な生煮えの部分が顔を出し、
そんなこと、はしたなくて、できない、、、、なんて、自己と格闘しつつ、頑張ってしまって・・・
ついに、最後まで、ヒートテックを脱がず、一日を終えた。
夜には、日中ほど、気温は上がらなかったので、やれやれだった。

二日目以降は、下にタートルネックを着込むつもりで持って行った服を選び、下着の上から一枚だけを着た。
暑いときに、それを脱いだり、前をはだけたりできるように、タンクトップや、半袖を持って行ってなかったせいで、
ぐっと暑くなると、それ以上は脱げない。
なので、ただただ無意味に、ぱたぱたと手扇子で、火照った顔に風を送っていた。

バスの中は、冷房が効いているので肌寒い。
寒さ対策は、万全なので、それは、ばっちり対応できた。

ハワイ生まれ、シベリア育ちのわたし、(嘘です)
暑さ寒さ、いささか不安はあったものの、どうにか、無事に陽は落ちた。

日本との温度差も大きいし、台湾でも、冬に28度なんて、ありえないことだと、ガイドさんが驚いていた。
このシーズンに咲かない花も咲いて、びっくりだそうだ。

そうやって、
日本(出国時は極寒)→台湾(暑い)→日本(寒い。でも、帰国時は、ちょっと寒さは薄らいでいたようす)
自前の体温調節機能が、経年劣化により、ガタが来ているところに、
(衣服対策、ヒートテックを熱愛しすぎたあまり)
オート制御装置が壊れ、マニュアルに緊急移行したものの、追い討ちをかけるように、
上がったり、下がったりに、対応できなかったようで、体調を崩した。

ああ、ここまで書くのの、なんと、長かったことか。

観光内容を書こうと思ったが、力尽きた。
強いて言えば、今回の旅行に参加するにあたって、企画側の人間であり、
わたしのポジションが、実に、仕事がらみの、宙ぶらりんの、ややこしい立場だったので、
日頃、一人行動が大好きなわたしなのに、中途半端に皆さんに、へんに気を遣い
皆さんも、へんに、気を遣ってくださって、それが、痛いようにわかって、よけい疲れた。

温度調節と、気遣い調節で、わたしは、バランスを崩し、病気になって、帰国した。
ああ、これを「あほ」って、言わずして、なんと言う?

強力な薬のせいもあり、どうにか、まあ、元に戻りつつある。

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