シリアのこれからが注目されています。
恐怖政治で長らく政権を保っていたアサド政権は、あっけなく崩壊し、ダマスカスでの市街戦は避けられたことは何よりです。ただ、政権が委譲されることになる反政府勢力と言われる人々が、どのような政権を、そしてどのような国家を築いていくのかが注目されます。
現在伝えられている情報では、「シリア解放機構」のジャウラニ指導者が暫定政権を主導するようで、国民に対して「この国の建設に取りかかろう」と呼びかけているようですが、この勢力は、国連などからテロ組織に指定されていますので、このあたりがどうなるのか注目されます。
ただ、打倒アサドに動いた反政府勢力には、主な勢力でもあと二つあって、米国の支援を受けているクルド人を主体とする「シリア民主軍」、トルコの支援を受ける「シリア国民軍」とがあります。トルコはクルド人勢力と敵対関係にありますが、この二つの勢力は、米国の仲介で停戦に合意したとも伝えられています。
これらの三つの勢力がどのように協力し合えるのか、今後のシリアにとって重要な鍵を握っていることになるでしょう。
わが国には、「三人寄れば文殊の知恵」という教えがあります。「凡人でも三人集まって知恵を絞れば、知恵を司る文殊菩薩に匹敵する力を発揮することが出来る」といった意味ですが、教えはすばらしいのでしょうが、三人が本気で知恵を寄せ合うことは簡単なことではなく、「三人寄ってもゲスはゲス」という憎らしい言葉もあります。
シリアには、そのようなゲスはいないと思うのですが、アサド政権崩壊後の新しい国家建設にあたっては、先の三勢力に加えて、残っている旧アサド支持勢力、三勢力以外の小さな勢力群、まだ基地が残っているロシアの影響、さまざまな理由はあるとしても空爆や進軍を行っているイスラエル、クルド人がらみのトルコ等々、とても『三人寄れば・・」ではなく、「船頭多くして船山に登る」現象にならないのか、さらには、蜂の巣を突いたかのような状態を招かないのか、期待と同様に懸念材料も山ほどあります。
シリア情勢に限らず、ウクライナ問題も、ややもすると私たちとは離れた存在と感じがちです。しかし、ロシアと北朝鮮の連携は、そうそう遠い問題ではなく、最も近い国である韓国の政治の混乱も気になります。
わが国の首脳は、何もかも承知で万全の備えを行ってくれているのでしょうが、103万円がどうの、裏金がどうのと大騒ぎですが、何だか世界の揺れ動く情勢とピントが外れているような気がしてなりません。
そう言えば、自・公に国民が加わった103万円の壁、文殊の知恵など望んでいませんが、大騒ぎしたからには、ネズミ一匹程度の成果はあったのでしょうねぇ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます