関西を中心に放映されているテレビ番組に『そこまで言って委員会NP』という人気番組があります。
ジャンルとしては「バラエティー番組」になるそうですが、かなり辛口の内容で、政治・経済・外交・防衛・社会ネタ・芸能・スポーツ等々、「話題になっているテーマは何でもござれ」といった具合で、読売テレビの二人によって司会進行がなされ、八人のパネラー、テーマによってはその道の専門家などが加わって、番組名通り、かなりきわどい発言も飛び出す激しく楽しい番組です。
この番組は、大阪の読売テレビがキー局になっていて、全国かなり広い地域に配信されていますが、東京を中心にした地域には配信されていません。
この番組は、もともとは、『たかじんの そこまで言って委員会』となっていましたが、関西で人気の高い、歌手というよりは司会者として有名な「やしきたかじん」さんを中心とした番組としてスタートしたものです。たかじんさんの強烈な個性が売り物でしたが、残念ながら病気でお亡くなりになり、番組の存続も危ぶまれた時期もあったようですが、若干色合いを変えながらも、現在もその精神の一端は引き継いでいるように思われます。
この番組を東京圏に配信していないのは、たかじんさんの強い意志が働いていたようです。その真意は分かりませんが、番組の中では、「東京のキー局は、発言に対するチェックが厳しく、本音の発言など出来ないから」と発言されていました。
この番組に登場するパネリストの方々は、政治経済などの有名コメンテーターや、社会問題、教育、医療、芸能などに明るい方々で、実際に大臣経験者、首長経験者、政府の諮問機関などの経験者、現役の大学教授、医師などもいらっしゃいますし、安倍元首相などは首相在任中も含め数回出演されている番組なのです。
番組の紹介が長くなってしまいましたが、実は、先日の番組の中で、そうそうたるパネリストの方々に対して、「人生とは」というテーマで意見を求めるコーナーがありました。
正直なところ、少々驚きました。相当ドロドロしたテーマが中心になりがちな番組だけに、人生とは何ぞや、といった青臭いと言いたいようなテーマを取り上げたことに、大変興味が引かれたからです。ごく短い時間で、論争するというほどでもなかったのですが、八人の方々は、かなり真面目に回答されていたように感じました。
個々の方々のご意見を使わせていただくのは、さすがに控えさせていただくべきなのでしょうが、それぞれの分野の方々のご意見が、実に様々なのが大変面白く感じました。もちろん、番組を考えてのパフォーマンスもあるのでしょうが、「毎日の積み重ねである」「日々のちょっとした幸せや試練の連続である」といったものや、「遊びである」と一刀両断されたもの、「気付いたら終っているもの」「産まれてから死ぬまで」「答えより事実が先にあるもの」と言った実に哲学的に表現したものなど、実に参考になりました。
「人生とは何ぞや」などというテーマは、ある時期、多くの人が経験するのではないでしょうか。
人によっては、深刻に突き詰めて、実際に人生そのものに大きな影響を与えてしまう人もいるのでしょうが、多くの人は、ある時期を過ぎると、突然霧が晴れるかのように霧散してしまうテーマのような気もします。しかも、ほとんどの人は、正否にかかわらず、何の結論も得ないままに、別に投げ出したという意志もないままに、見事なまでにどこかにしまい込むことが出来る命題のような気がするのです。
今回、この番組がどういう意図でこのテーマを取り上げたのかは分かりませんが、人生を堂々と生きているように見える方々のご意見だけに、とても興味深く、少なくとも、「人生とは」決して一つの結論にまとめられるようなものではないことだけは、教えていただけたような気がしました。
ある程度の年令まで生きてきた時点では、少しばかり真面目にこのテーマを考えてみて、「自分ならではの人生」を描いてみるのも楽しいかもしれませんねぇ。
( 2022.12.07 )
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