雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

道長の娘

2024-10-01 08:00:22 | 私の好きなフレーズ

『 人の生涯の幸せというものは、そうそう安易に甲乙を付けられるものではない。』


道長は、多くの子供に恵まれたが、女性でいえば、宮中での栄達ということからすれば、彰子が第一番だということに異論がないであろう。
平安王朝文化の絶頂期ともいえる一条天皇に入内し、後一条天皇、後朱雀天皇の二人の天皇の生母となり、自らも、上東門院という女院の地位を得るなど、およそ女性として望めるすべての地位を引き寄せて、八十七歳の長寿を全うしているのである。
しかし、人の生涯の幸せというものは、そうそう安易に甲乙を付けられるものではない。最上の位を得たからといって、道長の娘の中で彰子が最も幸せであったというのは、短絡に過ぎるかもしれない。
そう考えてみると、一人の女性が浮かび上がってくる。
それが、道長の五女として生れた尊子である。

           ( 「運命紀行」 道長の娘 より )


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