都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

日本辺境論(内田樹):論旨のフローが

2013-09-09 06:04:43 | マクロ経済
 2009年出版、講演記録に準ずる形式で読みにくい文体だ。日本人とは辺境人であるとの論述だが、論理の流れがいまひとつうかめない。丸山眞男の「変化のしかたが変化しない」や「空気に流される」が基本となっている。決断やネゴシエーションができないのは「自説を形成するにあたった自己史的経緯がない」ため、つまりは自説の理由が言えない(持っていない)ためというのは卓見だ。
 日本人の学び方は最高の効率とあるが、これは勉強であって、学問にはあてはまらないのではないか。創造的な分野では器用さがかえって仇になる。「先駆的に知る力」が大切との指摘はそのとおりだ。
 辺境と日本語の特色。「何が正しいのか」よりも「正しいことを言いそうな人間は誰か」、ふきだしと絵の並列処理は日本独特。

 一度読めば要旨はつかめる


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