論文をまとめたもので専門的。「中世」の「遊女」の研究であり、近世、近代への流れや、金主、開発者、運営者、女性、そこでのサービスなどの経済学・社会学からのアプローチではない。‹遊女›は買売春に従事した女性で
①今様( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E6%A7%98 )という流行歌の歌い手、白拍子( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%8B%8D%E5%AD%90 )にも関連
②小舟に乗り旅人に近づく江口、神崎に集住する集団→後世の船饅頭か
③傀儡子( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%82%80%E5%84%A1%E5%AD%90 )
歴史的検証であり、都市計画や経済学の当方が読んで面白くはない。知見は:
・林家辰三郎の「芸能環境論」:芸能者をとりまく社会的環境を論ずる
・遊女の集団形成、生業、分配→社会システムとしての分析が浅い
・遊女集団は「イエ」を基礎、長者、上首、一般遊女の序列
・貴族社会と遊女
・「出遊」(いであそび)は豪家の侍女(下女のみならず女房もか)も船でアルバイト遊女→これは面白い、船は後世の「座敷」、「茶屋」につながる「場」の機能があるのだろうか
色街に興味のある方は一読しておくのが良いかもしれない