発達に凹凸がある子たちの就学準備グループの算数タイムの様子です。
集中して活動することが難しい子たちの学習意欲を引き出すためにしている工夫を紹介します。
最初に、「好きなものを選ぶ」行為から学習を始めると、意欲的に取り組みやすいです。
上の写真では、最初にゴリラ、ハイエナ、ライオン、キリン、ワニなどの人形から、好きな動物を選ぶことから学習をスタートさせています。
他の子らから見えないように、手の中に隠すように言って、次のような質問をします。
「その動物の頭につく文字、最初の文字はなあに?」
「その動物は何文字?」
「その動物の一番最後の文字はなあに?」
「ラ」とか「4文字」といった答えをヒントに、他の子らが動物の名前を当てます。
こうした遊びは、耳で聞きながら数を確認する力をつけてくれます。
頭につく文字から動物の名前を簡単に言えた子も、一番最後につく文字から推理するのは難しかったようです。
一生懸命取り組んで、わかった時にはとてもうれしそうでした。
ゲームをしながら、いくつかの条件を念頭に置いて、数を操作するようにします。
写真は、チケット・トゥ・トライドというゲームです。
ルールを少し易しくして、数についての気づきを得やすいようにして遊んでいます。
簡易ルールは次のようなものです。
旅行するルートを選びます。
出発する駅と到着する駅に人形を置きます。
チケットはたくさん配ります。
駅から駅に移動する際、指定の色のチケットを必要な枚数出してから、その間に自分の色の電車のコマを置いていきます。
このゲーム、とても面白かったらしくて、なかなかこない順番も根気よく待って遊んでいました。
途中で、自分のやりたいようにルールを変えようとした子がいましたが、今やっている正しいルールを守るようにはっきり言うと、かんしゃくを起こしそうになりながらもぐっと我慢して、指示に従えました。
遊びのシーンにみんなで守らなくてはならないルールが含まれていると、何でも自分流でやりたい子たちには、かなりの負荷がかかります。
それでも、やっている活動を面白く感じていて、こちらへの信頼感がしっかり育っていると、そうした負荷を引きうけて、ぐっと我慢しながら、いきいきとした自信に満ちた表情になっていきます。
時計の学習では、好きなテレビ番組が始まる時間についての質問など、子どもがわくわくするような時間についての質問から入ると、楽しく取り組みやすいです。
この日は、「7時55分」といったあと少しで8時になるという時間の読み方を学びました。
針が動かせる大きいサイズの見やすい時計を利用すると学びやすいです。