年明けの年中と年長の子たちのグループレッスンの様子です。
年長のAちゃんのお母さんから、「科学クラブでいろいるな体験をしたことが、
今、一気にあふれているようで、自然や生き物をじっくり観察して、
深い疑問を口にしたり、よく考えて自分なりの考えを口にするようになりました」という報告をいただきました。
Aちゃんはさまざまな種類のレンズをのぞくのが大好きな女の子です。
教室でも、「何でだろう?」という疑問をずっと温めていて、ねばり強く自分で考えています。
写真はAちゃんが作ったポップアップの作品です。
Aちゃんは「頭で考えるのは好きだけど、手を動かすのはあんまり……」という
タイプの子で、これまでは実験をするか、わたしが教えた基本の工作をパパッと真似て作るのが
主な活動でした。
が、このごろは、持ち前の意志の強さで、自分で「ちょっとレベルが高いな」という目標を掲げては、
それを最後までやり遂げる姿が目立つようになりました。
今日は、親戚の小4のお姉ちゃんが
教室にいっしょに来ていたのですが、そのお姉ちゃんがポップアップ作品に細かい細工をするのを見て、
Aちゃんも数ミリずつの切り込みを入れてから、凹凸をつけて
完成度の高い作品を作っていました。
これは年長のBちゃんの作品です。
Bちゃんは、観察して学びとる力と自分でやり遂げる力がとても高い子で、
年少のころから驚くような作品を作っていました。
今回、わたしが簡単なポップアップのしかけの見本を見せると、
見せ終わる前に、さっさと自分でも作ってしまい、
自分なりにさまざまな角度から切り込みを入れて工夫していました。
が、そうやって、模倣がメインになった作品作りは満足がいかなかったようで、
もう一度1から作りなおして、自分なりにどうしたら面白いポップアップの
しかけができるか考え続けていました。
そうして、なかなかいい作品ができたのですが、少し気に入らないようすで、
「先生、あげる。」と言いました。
わたしは思わず、「Bちゃんはとっても工作が上手だから、こうしたらどうかな、ああしたらどうかなって
自分のアイデアを試してみるでしょ。そうして誰もやったことがない新しいことをするのは
すごいことだけど、できあがったとき、うまくいかないなって思うことがあるよ」と言いました。
すると、
「先生、すごく上手なんて言わないで。わたしは、工作がすごく下手で、誰よりもできない子なんだから」
ときっぱり言いました。
「ああ、ごめん、ごめん。うっかりいやな褒め方をしちゃったかな。
Bちゃんは、上手か上手じゃないかなんて気持ちに邪魔されないで、自由にどんどん作るもんね」
というと、BちゃんはBちゃん独特の意志が強そうな笑みを浮かべて、
「先生、わたしは大きいお家を作っていい?」とたずねました。
いつもは折った2枚の色画用紙をつないで
お家を作るところ、3枚つないでいました。
すると、六角形の壁ができました。
「すてきなお家ができたわね。六角形の床をパターンプレートみたいに
正三角形6こ作って作ることができるよ。」というと、とても乗り気でした。
Bちゃんは道具の扱いや形にとても興味がある子なので、
コンパスを使った正三角形の作り方を教えることにしました。
が、コンパスの幅が足りませんでした。
「どうしよう?紙をあてて、正三角形を作ることもできるけど、
コンパスで作りたい?」ときくと、
真剣な顔でうなずきます。
そこで、いっしょに手作りコンパスを作ることにしました。
手作りコンパスは厚紙に2ヵ所穴をあけて作ります。
その後は、自分でどんどん作りあげて、こんな魅力的な家ができていました。
年長のCちゃんは、ポップアップではなく、トンネルをくぐっていく迷路を作りたがりました。
Cちゃんは教室に参加し始めたのが他の子らよりだいぶ後なので、工作にじっくり集中するのは
難しかったのですが、
頭のなかで論理的に考えていく力は急激に伸びていました。
算数レッスンでは、自分の知恵でさまざまな問題を解決していました。