虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

2歳児さん、3歳児さんのめちゃくちゃさと いたずらを どう受け止める?

2012-05-17 07:54:51 | 初めてお越しの方

昨日は3歳前後の子どもたちのレッスン日でした。

「あっ、いいこと思いついた!」と本人の心の世界では、何やらすごいことを考えだした様子ですが、

実際することは2歳児さんの延長上にある月齢の子ら。

 

仕組みに興味を抱かせるために紙コップでがちゃぽんを作ってあげたら、

うれしそうに数回遊んだ後で、ちょきちょき切り刻んでいました。

 

「鉄棒みたいね」「あっ、フーッてしたら、クルクルまわるね」と言うと、

それまでで一番うれしそうにニコニコしながら、

自分の作品をフーッと吹いて回していました。

見栄えなんてそっちのけで、とにかく自分が思いついたことが楽しい!

自分がやったことがすばらしい!

自分中心に世界が回っている時期にいる子たちです。

 

その自画自賛ぶりと自分中心の世界の眺め方が、

何ともかわいくておもしろいです。

 

別の子も、作ったがちゃぽんを作っている最中からチョキチョキ。

そこで、紙箱の上に乗せて、「たこさんみたいな足になったから、トントンすると、移動していくよ」と

動かしてみせてあげると、うれしそうでした。

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2歳児って、「それはダメよ」と注意しなくてはならない悪さをたくさんするもの。

どこからどこまで許されて、何がダメなのか学んでいる時期ですから、
ダメなものは「ダメ」と教えていかなくてはいけませんが、

同時に、「それを試してみたかった気持ち」
「自分で考えたんだよという思い」「芽生えつつある知恵」をしっかり受け止めてあげることも
大事だと感じています。


2歳7カ月の★くんのレッスンで、
★くんは、イージーチターというハープの一種が気に入って、
自分で棚から出してきました。

最初は指示通り弦をはじいていましたが、
少しすると、サイコロを取ってきて、イージーチターの弦の上に落しました。

私は、「ダメよ。それは大事な楽器だから、サイコロを落としてはダメ」と言ってから、
「サイコロを落とすとポーンと跳ねるか試してみたかったの?」とたずねました。
★くんは、こっくりして、「ポンポン、はねるのしたい」と言いました。

「★くん、楽器にサイコロを落とすのはダメだけど、
サイコロを持ってきて、いいこと考えたんだね。いいこと思いついたね。」と言うと、
うれしそうでした。


それで、小さなトランポリンを取りだして、サイコロを落として遊ぶことにしました。
サイコロがトランポリンをはねてコロンと転がるたびに、「5!」「3!」と
数字を読んであげていると、
★くんは楽しくてたまらない様子で何十回も繰り返しました。
でたらめですが、自分でも、「4!」「5!」とサイコロの目を読んでいるふりをします。

しまいに、トランポリンの上にそっとサイコロを乗せて、自分の出したい目に調節するように
なってきました。
★くんは、2歳半ばで、数や量の多少、サイズの大小に
興味を持ち始める時期です。

でも、★くんがこのサイコロ遊びにここまで熱心に関わっていたのは、
この時期の子がサイコロを好むからというより、
自分で思いついた「ダメ」と言われることを、
別の形で受け止めてもらって、「自分の思いつき」というものを大事にしてもらえたからでも
あります。

「ダメ」のひとことで終わったり、
大人が良いと思うものを無理やり押し付けられたのでは、
こうした強い好奇心は生まれにくいです。



イージーチターの弦を乱暴に扱うので、
ここでも、「大事な楽器よ。バンバンたたいたら、壊れちゃうわ。それに、指が痛くなるわよ。」と注意して、
その一方で、
「はじくと音が出て面白いね。音が出るのが楽しいのね。
自分で、ポロンポロン音がでる楽器を作ってみる?」とたずねました。
★くんは納得して、楽器を作りたがりました。
紙コップに輪ゴムをかけただけの楽器です。


こんな風に書くと
対応次第で、2歳児はみんな聞き分けが良いように見えますが、
そう簡単ではありません。
子どもの気質も発達の段階も千差万別ですから、
その都度、臨機応変に対応していくことが大事なのです。

また、どの子にも「ダメ」と注意すればいいわけではありません。
「ダメ」という言葉を使うと
火に油を注ぐような騒ぎになっちゃう子もいますから。


★くんにしても、これまで相当なやんちゃさんで、
ようやく前回のレッスンあたりから、大人と交渉しながら、
ダメなことは何で、どんなことなら許されるのか
理解できるようになったばかりなのです。


ドールハウスで遊びたがったかと思うと、「いっぱい、いっぱい」と言って
ハムスターをわんさかつっこみ始めました。
2歳代の子の遊びは、まだこんな風にでたらめですが、
全くでたらめというわけではありません。

「いっぱい」「たくさん」「おおい~」「たかいたかい」といった言葉を使いながら、
量を体感したり、
「多い」と「少ない」などの対になる言葉を理解したりすることへの熱心さが、
こうした遊びの楽しさにつながっているのです。

いっしょに「いっぱい、いっぱいね」と言って遊んであげると、
「すごくいっぱい」「少し」「ひとつだけ」などの違いを学んでいきます。

ひとりひとりの人形を椅子に座らせていったり、ひとりにひとつ帽子をかぶせたり、
ひとりひとりに切符を配ったりするのをとても喜びます。




2歳の子は、見立てて遊んだり、
物の作り方を学びながら遊ぶのも喜びます。
簡単なものとはいえ、社会の仕組みにも
関心を寄せ始めます。

写真のように簡単なレジを作ったり、
レシートが出てくる部分を作ったりすると、
想像力を働かせて遊びながら、
自分にも作れそうな物の作り方について学びます。

2歳代の子に作ってあげるおもちゃは、
「偶然、ブロックをはめていくと、それらしいものができちゃった」ということが
起こるような作品がいいと思っています。
こうした工夫は、子どもに自信と作る楽しみを与えてくれます。






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1 コメント

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Unknown (ぽんみかん)
2012-05-19 06:28:34
先日のレッスンではお世話になりました!
息子のポンすけは家に帰ってからばーばに何したの?って聞かれ、
「電車つくらなかった」と。(!???)
お友達が遊んでいたことも、ちゃんと見てるんだなあと感心しました。
レジスタのおもちゃの記事を拝見していたにも関わらず、
「間違えても差し支えないことは間違えさせてあげるといいですよ♩」とアドバイスをいただき、
せっかくブログでもたくさんの気付きをいただきながら、
まだまだ自分の子育てへのフィードバックができていないなと反省。

他にも「わがままや喧嘩には創造的な解決法を」
「簡単で仕組みがわかるものをたくさんやってみせれば、こどもはどんどん創造力を発揮する(記事のお話ですね!)」などなど
たくさんはっとするアドバイスをいただき、
自分の中の「あれもやってあげたい、これもやってあげたいでもできてない!(焦り、モヤモヤ・・)」といった感情がスッキリクリアになり、毎日が楽しくなりそうです!
主人はさっそく大量の紙コップなどを買い込んできて、家に着いたそばから何か息子と作っていました。

息子の意外な一面にも出会えたようで嬉しく思います!
ありがとうございました!
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