虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

『子どもが勉強にハマる脳の作り方』 という本

2011-12-04 19:37:40 | 本の紹介

諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀先生の

『子供が勉強にハマる脳の作り方』という本を読みました。

タイトルや紹介文には、ちょっと違和感があったものの

なかなか面白い本でした。

 

著者の篠原先生は、多チャンネルNIRSという機械を使って、

年中脳活動を調べておられるそうです。

パチンコ、ゲーム、ツイッターなどのハマりやすい行為の脳活動も

調査中なのだとか。

そこで浮上してきた「ハマリの仕組み」を利用すれば、

子どもの脳を勉強に夢中にさせることが可能だということです。

 

篠原先生いわく

「子どもが勉強する」ことは、子どもの脳の問題ではないということです。

実は、子どもの脳と親の脳の「間」の出来事が問題で、

ふつうは親が子供の脳が勉強にハマるのを邪魔しているそうです。

 

ならどうすればいいと書いてあるのかというと、勉強にハマる脳にいたるまでの

子どものあり様を表現した言葉が独特で面白かったのです。

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親に必要なのは、その時々の親子関係に合わせた対応。

目の前にいる子に、「正しいことを言わなければ」と思いこんで、

「勉強しなさい」と言うのは、大きな間違いなのだとか。

子どもはたまたま目の前にいるだけの「ビジター(訪問者)」で、

自分が解決すべき課題を抱えている自覚がありません。

わたしたちが、道ですれちがった人に説教をされたのと同じように、

反発心を抱くだけなのだとか。

 

子どもがビジター(訪問者)のときは、親のできる対応は次の3つだけなのだそうです。

 

何もしない。

当たり障りのない話をする。

何でもいいからほめる。

 

相手に問題を抱えている自覚がなければ、心をこめて諭しても

脳がスルーするのはあたり前だということです。

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何か問題は抱えているという自覚はある。

でも、子どもがその問題は自分以外にあると思っている場合、

親子の関係は、コンプレイナント関係と言うそうです。

 

問題の原因が自分とは思っていないので、

「こうしたら?」という提案をすれば、腹を立てます。

 

何でもいいからほめる。

観察力をほめ、問題を見つけてもらう。

 

「勉強の邪魔をしているのは何かな?」など。

親はそもそも大したことはできないので、「副作用がないようにほめる」のが

基本なのだそうです。

コツは、

「ちょっとでも机に座ったらほめる。30分でやめたら、よく30分も

勉強できたねとほめる。」

ほめて待つが全ての基本なのだそうです。

 

「勉強したらほめる」「勉強したらほめる」を繰り返すと、

「勉強しようかな」と思った時点でザワワと線条体が活動し、勉強に心が向かっていくようになるそうです。

ドーパミン神経系が線条体で回路を作っていて、ここで「快」と「無意識的な行動」が結びつきます。

「やる気」とは行動と快感の結びつき。

 

たとえほんの少ししか勉強しなかったとしても、

比べる対象は親の中の理想ではなく、それまでの子どもの姿なので、

ちょっとしたプラスの変化を探すのは難しくないのだとか。

 

子どもが学習っぽいことをしたらエbタぼめ。そうやって、子どもがカスタマー(顧客)に揺らぐ瞬間を、

目を凝らして間tうそうです。カスタマーは買う気満々のお客様。

相手がお客なら、親は子のニーズを的確につかまえて、タイミングよく、適切な量、方法で

目標を設定してサポートしていくそうです。

 

       『子どもが勉強にハマる脳の作り方』篠原菊紀  フォレスト出版の一部 を短く要約しています。

 

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実を言うと、わたしは、

この本で目指しているように「親が子どもを作っていく」「親が子供をプロデュースする」

というイメージがあまり好きではありません。

でも、現実には、子どもを前にすると、かなり甘めの対応が多いわたしは、

教室の子らに対しても、

大きなわが子を前にしても

無意識に、この本と変わらない対応をしているな~と感じました。

ちょっとでもがんばりを見せたら、それが1、2分でやめたとしても、

思わず感激して、ほめ言葉が口に浮かんでくるです。

子どもたちを勉強にはハマらせようとしているわけでも、

わたしの期待することをやらせようともくろんでいるわけでもないのですが、

単純におめでたい性格な上、アバウトで適当なところがあるので、

ちょっとでもプラスの一面が見えると、

「すごいねぇ~!」と口に出してしまうのです。

 

でも、確かにそれを続けていると、いつの間にか、

子どもたちは勉強好きにはなっていきます。これは実証済みですよ。

 


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