0歳7ヵ月のAちゃん、0歳11ヵ月のBちゃんとCちゃんのレッスンの様子です。
0歳の赤ちゃんを育てている親御さんに、「お家でどんな遊びをしていますか」とたずねると、
「あやすのと絵本を読んであげるくらいでしょうか」といった返事が返ってきます。
2人目、3人目の子を育てている子育てに慣れている方も、「0歳の子らがどんな遊びを喜ぶのかよくわかりません」とおっしゃることもよくあります。
0歳の赤ちゃんたちはとても好奇心が旺盛で、貪欲に遊びます。
さまざまな感触を試したがり、音や色や形を面白がり、推理力を働かせる遊びも大好きです。
引っぱったら、自分の方に来るとか、引っぱったら伸びるとか、押すと形が変化したり、音が出たりするとか、見えていたものが見えなくなったり、見えなかったものが目の前に現れたりするのを面白がります。
「いないないばぁ」などであやしてあげることも絵本を読んであげることは大切ですが、他の遊びのレパートリーを用意してあげたいものです。
0歳後半の子たちが喜ぶ遊びを紹介します。
この時期の子たちの目の使い方には、個性が見られます。
今回来てくれた7ヵ月のAちゃんは、首をさまざまな方向に向けながらかなり広い範囲まで見渡すように眺める子でした。
人と視線が会うと笑顔を浮かべ、こちらがそれをとらえてあやすと、キャッキャと笑いながら、もう一度あやしてくれるのを期待するように表情豊かに人の顔を見つめていました。
また、何かを口に入れてなめている時、自分の手元を見ようと集中していました。
11ヵ月のBちゃんは、丸い形の箱やマグネットのついたおもちゃなどを手にすると、必ずひっくり返したり、立てたり横にしたりして、多方面から分析するように見ていました。
動くものをじっくりゆっくり眺めるのが好きで、他の子がおもちゃを扱っている時も、その様子を熱心に見続けて、次に自分がそのおもちゃで遊ぶ時は、そのおもちゃの扱いについてよくわかっているような知恵が感じられる遊び方をしていました。
この時期の子たちが喜ぶおもちゃとして、ティッシュの空き箱や透明の容器(乱暴に扱っても危険がないもの)などがあります。
ティッシュの空き箱は、空き口が透明の部分があって、ものを押し込みたくなる作りになっています。
(子どもがビニールを噛みちぎると危ないので、必ず大人が遊びを見守ってください)
入れたものが見えるけれど、出すのが難しいし、振ると音がして適度な手ごたえがあるので、0歳の子の好奇心を刺激します。
赤ちゃんによっては、見えづらくなったらすぐに興味を失う子もいれば、そうした音や手ごたえの原因となっているものを突き止めようとのぞき込んだり、手でつかもうとしながら指先を見つめたりする子もいます。
赤ちゃんが、好奇心や探求心を満たそうとして何かに働きかけている時、近くにいる大人も同じように赤ちゃんの関心に注意を向けていると、チャレンジする持続時間が伸びていきます。
透明の容器は、物が入っているのを外から確かめられるので、赤ちゃんにとっていいおもちゃになります。
写真は、おもちゃをくるむところをBちゃんに見せながら、ハンカチを容器に入れたところです。
Bちゃんはハンカチを出そうとして苦心していましたが、うまくいかなくて泣いてしまいました。
Cちゃんの物の見方は、目的や目標物をいちはやく見つけて、それを達成したり、手に入れたりするまで関心が持続するような見つめ方でした。
いろいろなパーツがそろっているおもちゃの中から、少し年上の子たちが選びそうな目立つものをさっとつかみに行ったり、椅子の上にのぼって万歳ポーズをしたりしていました。
数玉で遊んでいたときも、数の玉の上に乗せた人形がほしくて身を乗りだしていました。
0歳の子たちとする工作は、何か作るというより、工作素材や道具を使って、赤ちゃんといっしょに遊ぶという関わりです。
まず色画用紙をいっしょに選びます。
色画用紙のはっきりした色は赤ちゃんたちの興味を引きます。
穴に何かを押し込むのが好きな時期なので、色画用紙に切り込みを入れて、裏にヨーグルトや豆腐の空き容器を貼って、落とし穴を作りました。
指で押し込むとお人形や車が穴の中に消えてしまいます。
簡単なぺープサートを作ったり、穴あき絵本を作ったりして遊びました。どの子も熱心に取り組んでいました。
写真は、小さい穴から出てくるひもです。
指でひもをつまんでひくと、ひもがちょろちょろ出てきます。
切り込みを入れて作るジュースが出てくる機械やパクパクする人形なども、0歳の子らが喜ぶ工作です。
11ヵ月の子たちは、はさみやセロテープに興味しんしんでした。