虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

障害のある子の工作、考える遊び、言葉を育てる取り組み 

2014-04-26 18:49:08 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

★くんは6歳のこの春、小学1年生になった男の子です。

★くんと初めて会ったときの様子を記事にしています。

 

言葉のない5歳の男の子 1

言葉のない5歳の男の子 2

言葉のない5歳の男の子 3

 

この記事を書いてから1年半の間に、★くんはゆっくり確実に成長してきました。

 

身体の機能の問題で、まだ言葉を発することはできないものの

文字を使ったやり取りにゲームを楽しむように

進んで取り組もうとする姿が見られるようになりました。

これは絵本や絵カードや写真など平面に印刷したものを

見ることを拒んでいた★くん(★くんは以前から立体物や動くものや人に対しては

強い関心を抱く子でした)にすると、とてもうれしい変化です。

 

 ★くんは会った当初から、共同注意がしやすく模倣も上手な子でしたが、

長い間、「外に行きたいから靴を履く」とか「おもちゃが欲しいから、取って!

という素振りをする」といった、現実に自分の利となること以外で、

物事の正誤や意味を理解していないようにも見えました。

 

たとえば、赤い色のブロックは赤いバケツに入れる、

黄色い色のブロックは黄色いバケツに入れる……といった遊びに誘っても、

わたしの意図していることに気づかないままブロックをバケツに入れる動作を真似ると

うろうろしていました。

穴の空いたトレイにビー玉を置いていく……という遊びに誘っても、

ビー玉を置く動作は真似ても、「穴のすべてを埋めていく」といった知恵遊びには

発展しませんでした。

 

それが、少し前から★くんの行動から

「わかった!こうすればいいんだな」といった判断力や

「先生が伝えているのはこういうことだな」といった理解力や

「これは間違っている、こうすれば正しい」といった正誤を判別する力が

感じられるシーンが増えるようになってきました。

遊びに秩序感のようなものも見られるようになりました。

 

ブロックの車を連結する★くん。

各車の上に正方形のパーツを3つずつはめていました。

以前は、「ブロックをはめる」のが楽しいだけで、どのようにはめるかには

無関心でした。

 

いちごケーキゲームのイチゴをさしていく作業を最後の一個まで自分で

やり遂げました。以前は、「どこまでが課題か、どこで終わりか」がわかっていない

ような遊び方で、おもちゃを扱っている最中に集中が途切れてうろうろしていました。

すべてのいちごを入れてから、トングでつかむ遊びをしました。

 

ブロックの棒をどんどんつなげて得意そう。

どのようにしたいかはそっちのけで、ただつないでいた★くんが、

「ここにきちんとつなげていこう」という目的を持って作業していました。

 

ホースで作ったビー玉コースター。

入れる時にどのように角度を調節したらビー玉が転がるかわかってきました。

 

工作タイムにビー玉のおもちゃを作りました。

写真のようなトレイにビー玉を乗せて手で傾きを作るとビー玉がくるくる回ります。

器用に回すことができた★くんは、とてもうれしかったようで、

その後、熱心に工作を楽しむことができました。

 

野ールをペタッと貼って作ったトンネル。

 

ふたをして回すとビー玉がトンネルをくぐっていきます。

 

バイバイする人形。

 

箱にえんぴつで穴を開けることができる★くんのための、バイバイ人形の見本。

「穴を開ける」→「ストローを通す」の2手順です。

 

ねずみのロボットで遊んだので、後からねずみのおもちゃ作り。

小さい豆腐のカップにねずみの顔を描き、ビー玉を入れて動かします。

まだ顔を描いているつもり……の段階ですが、

鉛筆やマジックを扱うことに強い関心が出てきています。

ねずみの工作のお手本を見せたところ、★くんはすごく興奮した様子で、

「これとこれとこれが一緒!」というように、

それまでした活動の同じ動きを利用した道具を、

順番に上手に扱えるところを見せてくれました。

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ぶーまま)
2014-04-27 04:01:55
いつもお世話になり、ありがとうございます。
来週レッスンでお世話になる前に、最近の様子をお知らせしたく、コメントさせていただきます。

最近、幼稚園にはイヤイヤながらも一応は行くようになりました。この状態が良いのか悪いのか判断しかねながらも、毎日連れていっております。

そんな幼稚園ですが、先日お誕生日会に親である私も参加させていただく機会があったので、行って参りました。
すると、少しもぞもぞしながらも、加配の先生から離れてきちんとお誕生席に座っており、「はーい!今月お誕生日のお友達に質問のある子、いますか~?」の、わが子にすればそうとう無茶な状況でもきちんと質問に答え、ケーキのろうそくを吹き消し、私が子にあてた手紙を読む時もしっかり私の目をみつめて聞いてくれ、手紙の最後の「これからもたくさん笑顔を見せてください」というメッセージに小さな声で「はい」と返事してくれました。
担任の先生のマジックもすごく嬉しそうに伸び上がって見入っており、お誕生会の様子だけを見ていると、何がそんなに問題なんだったっけ?と思ってしまうような落ち着きぶり、対応ぶりでした。

加配の先生とも朝送って行った時とお迎えに行った時には子供から離れて私とお話させて頂けるようにお願いして、その時間になおみ先生から頂いたアドバイスをお伝えするようにさせて頂いております。
最初は「そうかしら?」「でも、彼なりに成長してるわよ!」と、少し疑問に思われているのかな?といった印象の対応をされてましたが、最近は「お話を聞いた後、私なりに考えたんだけど、そうかも。」とか「虹色の先生も仰ったってお母さん言ってらしたけど…。」等、柔軟に対応して頂けそうな雰囲気になってきました。
先日も私が冗談ぽく「虹色の先生と(加配の)先生が直接お話し合いしてくださると、きっともっとうまくいくと思うんです。」と申し上げたところ、笑顔で「私で良かったら!」と仰ってくださり、それが実現できたらいいのになぁと思っております(多分、園長がNGだと思います)。

家でも奇声や独り言が減ったかなと思っておりましたが、今日、大きな公園へ行って楽しく遊んだ後、帰りの車の中では現実とは全く関係の無い独り言をずーっと言い続けており、(内容は、はなかっぱ・しまじろう・電車のホームのアナウンス等でした)正直、「今日一日あんなに楽しく遊んだのに何故?」と気が滅入りました。
家に帰ってからも、「夕飯のハンバーグにソースかける?」「ご飯できたよ。食べよう。」と声をかけても全無視で、先日のなおみ先生からのアドバイスを忘れ、「もう食べなくてもいい!!!」と度を越した怒りモードで怒鳴ったところ、そそくさと無言で食べ始め、途中「おいしーい」「きれいに食べたよ。(お皿やお茶碗を)見てね。」とちいさな声で話しかけたりしたり、食べ終わってから誰も何も言ってないのに自分で食器をキッチンにさげて、洗濯物をたたむ私のところへ来て手伝ってくれたりしていました。

ふつうのお子さんでもできたりできなかったり、いろんな表情を見せる時期なのかなと思うのですが、少々の事でも私がイライラしてしまい、疲れる毎日です。

遊びは以前から大好きなプラレールの他に、下の子との戦いごっこやしまじろうの教材で来たゲームをしたりしています。
今日は積み木でロケットを作り、それをドミノで倒そうと考えたらしく、いろいろ試行錯誤していました。

最近の様子はこんなところでしょうか。

来週お会いできるのを楽しみにしております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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ありがとぅござぃました。 (ヒイラギ)
2014-04-26 22:02:43
先日、質問しました内容に早急ご返事頂き。本当にありがとぅござぃました。ご親切に、また優しくお答え頂いて本当に感激です。 まだ、閲覧しておりませんが。心からの楽しみがふくらみました。 なおみ先生のお人柄が、何より子育て中の私たちを励まして下さるのだと思います。いつか、先生のお教室に参加させて頂ける日がやって来ます様に。 本当に、ありがとぅござぃました。
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