トラックのおもちゃを抱えて教室を飛び回っていることで
わたしに呼び止められた★くんは、
「ジオラマと関係があるよ。材料を運んでいるんだ」と言いました。
見ると、トラックの荷台にブロックやレンガ積み木が詰めてあります。
★くんはふざけて飛び回っているのでなく、ブロックや積み木の置き場から
発掘現場に材料を届ける仕事をしていたようです。
そういえば、ジオラマ作りをすることに決まったとき、
「ぼく、電車のこと知らないから何したらいいのかわからない」と訴えたので、
わたしが「わからないときは、お友だちがしている仕事のお手伝い役をして!
線路や道路の工事にもトンネルの開通にも、材料を運んだり、穴を掘ったり……
たくさん仕事が必要でしょ?」と告げたのです。それをきちんと覚えていて、
●くんと◎くんが化石の発掘現場作りを始めたのを見て、
材料の調達をすることにしたのでしょう。
お友だちに向かって、「それなら、ブロックを持ってきてあげるよ」とか、
「じゃあ、ぼくは材料を運ぶ役をするよ」といった声をかけることができたら
問題ないのですが、唐突に自分の思いついたことを行動に移すので、
今回のように誤解されることが多そうです。
わたしが3~4人のグループで行う活動を大切にしているのは、
園や学校のような多人数の集団活動にしても、一人遊びにしても、
こうした人との関係をよりスムーズにしお互いの意思が通じやすくなるような言葉を
教える機会が生じにくいからでもあります。注意の向け方に困難を持つ子は、
たくさんの人がいる場で、常に注意力散漫になりがちなのです。
場にある暗黙の了解について教えるのにも、
「集団の経験はできるけれど、情報量は少ない(全体で起こっていることを把握できる
くらいの情報量)」という、このくらいの人数がベストだと思っています。
3~4人という少ない人数で、
「枠組みはあるけれど、自由度も高い」
「一人ひとりの個性と意見が大切にされている」
「進歩や新しい展開に向けて、適度な指導がある」
「自分の内面で使う言葉が発達するような手助けがある」
「自分の能力に自信を持つことや自分の才能を磨いていくことに、十分な援助がある」
ことに配慮された活動をさせることは、
子どもの心と知恵を育んでくれるのを実感しています。
遊びのアトリエさんでも、同様の活動をとてもていねいに実践されています。
関心がある方は、あそびのアトリエ のホームページか、
あそびのアトリエ リボンクラブ のブログをのぞいてみてくださいね。
「何度か★くんと話しあううち、外からはふざけているように見えることも、
★くんの中ではちゃんと理由がある」ということは、こんな場面でもわかりました。
ブロック爆弾を作っていたとき、
★くんはお手本とは反対の面にブロックを取り付けようとしていたので、
ゴムがはじけて、作る最中に壊れていました。
そこで、間違っている部分に注意が向くように言葉をそえながら、
お手本を見せようとしたところ、
★くんは、不服そうに、「実験だよ。どうなるかやってみただけだよ」と言いました。
正しい取り付け方は知っているけれど、反対の面につけたらどうなるか
試していたのだとか。
★くんには、お手本通りしなくてはならないことと、実験的に自分の思いつきを
試すといいことの区別をつけさせる必要はあるでしょうが、
自分の思いつきを試すことを面白いと思い、「実験」という言葉にワクワクする気持ちを
重ねている★くんの姿をこれから大切にしてあげたいとも思いました。
さまざまな科学実験や理科工作を体験させてあげることも一つですが、
そうした活動の中で、自分のひらめきの価値を知り、みんなに認められたり、
自分の意見を相手に伝わるように言葉にしたり、
自分のアイデアで友だちの問題を解決したり、
自分の好奇心と学校でする勉強とのつながりに気づいたりする体験を
たくさんさせてあげたいと感じました。
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(↓写真は、他のグループのレッスンです。……はにわを作りました♪)
いつも楽しみにしています。
我が子は保育園に通っているのですが、
もう4歳間近になり、今になってやっと
ママ友を作る余裕が出てきました。
私はずっと、子供たちとお料理会をやるのが夢で
先生のように教室まではできませんが
今年はプチ先生のようなことをチャレンジしたいのです。
メニューとか手順とか企画してみたものの
クラスのお友だちは何人呼ぶか?で悩んでいましたが
今日の記事をみて、スッキリしました。
なおみ先生ではないですが子供たちをよく見て!
そして、楽しみたいなと思います。
先生の記事を読むといつも突き動かされるような
気持ちがします。今年は実践!してみます