虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉症の子 と 工作見本

2014-04-16 14:29:32 | 工作 ワークショップ

自閉っ子で4歳の◆んと☆くんのレッスンの様子です。

 

3歳の頃の☆くんの診断は、重度の自閉症という深刻なものだったのですが、

(わたしが会ったときの印象では、中度の子くらいでしたが)

4歳2ヶ月になった今、意味が通じ合う会話を続けていくのも上手になり、

好奇心の幅も広がってきました。

 

セキセイインコのかごの前を通るとき、「とりさん、きれいねぇ」とポツリ。

魚のおもちゃを見て、「ほうちょう、ほうちょう!」と言うので、

おもちゃの包丁がある場所を教えると、魚に包丁をあてて「おすし屋さんです」と

言いました。

 

保育所から幼稚園に転園した◆くんのお母さんからは、

自閉症の子と会話を継続させる工夫 4の記事に、こんな報告をいただいていました。

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◆の母です。ご無沙汰しています。
このコメントにある人形芝居はある日「もうやらない」と言ってからめっきりやらなくなりました。
その代わりにはまっているのが2月から始まった戦隊ヒーローものTV番組『トッキュウジャー』です。
電車をモチーフにした衣装や武器なので、電車好きの◆にはかなり楽しいようです。
文脈理解が弱いので母による解説は要りますが、ストーリー展開が易しめで登場人物が多すぎないのもGooです。家で戦闘シーンの真似をして楽しんでいます。相手をせがまれますが‥‥。

先月あたりから急激に保育園の他児と自然体で遊べるシーンが増えてきました。陰からこっそり覗いてますと、一年前には信じられない光景です。
幼稚園に新入園したので大集団で人間関係イチから構築するのにまた数ヶ月かかるかもしれませんが、
なんとか馴染んで欲しいと祈る気持ちです。

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 今回のレッスン中も、◆くんのお母さんのご報告通り、◆くんの社会性の発達を感じるシーンが

たくさんありました。☆くんに持ってきたお菓子を分けてあげたり、

☆くんの工作のボタン付けを手伝ってあげたりしていました。

 

◆くんが持ってきたビスコの箱で、◆くんが喜びそうな工作見本を作ってあげました。

箱の下部分に写真のような切り込みを入れ、上部を切り取り、

後ろの面にブロックを刺し込む穴を開けたらできあがり。

 

ビスコの自動販売機です。

ブロックを刺した状態で、ビスコの個包装を上から入れておきます。

ブロックを引きぬくと、お菓子が出てきます。

写真では、お菓子を食べてしまったので、チョコの箱で出てくるお菓子を作っています。

 

◆くんが「ボタンは?」とたずねるので、丸い小物を二つ渡しました。

すると◆くんは、テープでそれを貼り付けて、「これはお菓子が出てくるボタンで、

これはお金が出てくるボタンだよ」と上機嫌でした。

お金を作って、数字も書いています。

 

折りたたみ式のドールハウスを開きながら、◆くんが、

「これ、旅館だよ」と喜んでいました。

そういえば、そんなふうに見えます。旅館なんて言葉、よく知っています。

 

ティッシュ箱を半分に切って、貼りあわせ方を工夫すると、同様の折りたたみ式の家になります。

◆くんに作ってあげた見本ですが、☆くんが喜んでいました。

 

 

☆くんが、「工作」と耳にしたとたん、以前作ったコンセントの工作を思い出して、

「コンセント、コンセント」と言っていたので、

「コンセントを作るのに、何と何がいるかな?ひもとそれから……」と言いながら、

前に作ったのと同じコンセントの見本を作ってあげました。

まだ工作をするのが難しい段階の子には、思い出すたびに、

何度も見本を作ってあげます。

そして、少しずつ本人がする部分を増やしています。

☆くんとは、ティッシュ箱にミニ扇風機を入れて、「室外機」も作りました。

 

教室の九九タワーを壊した◆くん。バツとして、5個ずつブロックの塊を作っています。

以前は、注意されてもさらに壊し続けるか、意地でもこちらの指示に従わず、

フリーズしたままじっとしていた◆くん。

一度の注意で、すぐに壊すのをやめて、黙々とブロックの塊を作っていました。

 

◆くんと☆くんのふたりで、どうぶつ見つけゲーム。

「ニャーン、ニャーンなく動物なあに? 猫はどこ?」といった質問に合わせて、

動物を取りあっています。

 

「1,2,3……」と数えながら、玉を移動させています。

 

最後に、イチゴケーキのゲームをしました。(足で邪魔しているのは、☆くん)

二人とも、まだルールに従うのは苦手です。


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1 コメント

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Unknown (ふうせん)
2014-04-19 14:27:28
自閉症の子の作品造りは憧れです。うちの子は幼稚園の時にクレヨンが大好きで殴り書きを楽しんでいました。家でリズムをつけて簡単絵かきうたも楽しんでいました。しかし小学校で、周りが絵を描く、授業で絵や形を描くようになってから好まなくなりました。家で誘っても嫌がってしまいました。

しかし、 もう何年もしていなかったクレヨンを突然やると言って、何種類か買ったら、太くて頑丈なクレヨンが気に入りコンコンリズムをつけながら殴り書きしてます。さり気なく歌いながら描いたり、描いてと頼んでみると以前より大きな抵抗はしませんが、嫌そうです。塗り絵も絵とは全く違う色で塗り潰すといった感じです。家では好きにリズムと色を楽しませておくべきか、年齢より幼すぎるまま先に進まない状態のままでいいのか…悩みます。よろしければアドバイスいただけたら助かります。
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