虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもは「星の王子さま」

2022-04-30 20:55:58 | 工作 ワークショップ

サンテグジュペリの『星の王子さま』は、「子ども時代、何度か読んだことがあるけれど、当時はよく意味がわかっていなかったな~、今だと心の深い部分でしっくりするな~」と感じる童話のひとつです。


サハラ砂漠に不時着した主人公が、星の王子さまに「羊の絵を描いて」とたのまれて、しまいに投げやりになって、簡単な箱を描いて、「君の欲しがっている羊はこの中にいる」と告げると、王子さまが顔を輝かせて「うん、こんなのが、ぼく、ほしくてたまらなかったんだ」と大喜びし、「このヒツジ、たくさん草をたべる?」とたずねるシーンがあります。

「ただの箱」の中に想像するものをありありと見て、心を躍らせるのって、子どもだからこそできるすごい才能だな~と思います。

虹色教室通信 別館 つくるんクラブ で、ティッシュ箱に折り紙2枚貼って、少し切り込みを入れただけ……という「へんてこりんなゴミ収集車の工作」を紹介したところ、次のようなコメントをいただきました。
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先日このごみ収集車を一緒に作ったところ、めちゃめちゃ喜ばれました~!ありがとうございます!
初めは、かなりいい加減な仕上がり具合になってしまい「こ…これを大好きなごみ収集車(息子はごみ収集車大好きなんです)だと言って納得するんだろうか」と心配しましたが、とんでもない!すごく喜んで遊びました♪そして今日またこのごみ収集車を出してきて「[息子]のごみ収集車…カッコイイ☆」とうっとりしたカンジで言ったんです~!つくづく簡単工作ってすごいな~と思いました。それにこの作品の魅力がイマイチ把握できてなかった自分…まだまだだなぁと思いました(笑)
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そうなんですよ!子どもって……
想像力で補う部分が多いほど目を輝かせるんです。
子どもって、どの子も星の王子さまそっくり!
おりがみをくるくる丸めて、「まきずし」「望遠鏡」なんて作品でも、とっても満足して、大事そうに持って帰りますから。

そういえば、今朝、うちの子たちと携帯のゲームについて話していたとき、息子がこんなことを言ってました。
「ゲームで自分の技を磨いて、攻略していくことに喜びを見出すのじゃなくて、誰かに自分の代わりに点数を稼いでもらって、とにかく得点だけ競いたいって子が増えているんだね。(私の話を聞いて言ってます)
最近さ、もうどの子も受け身な遊びには飽き飽きしてきてはいるんだよね。ゲームするのも、テレビ見るのもめんどくさい~て声もよく聞くから。
遊びって、結局、自分で主体的に創造的に関わらないと本気で楽しいって思えないものだよ。
でもさ、最近は、自分で何かしよって思うと、外遊びでもハードルが高くなってるよね。あれやってみよ、これやってみよって気楽に何かできない雰囲気があるじゃない……」

そうか……ハードルが高いのか……と考えていて、あっという間工作に子どもが目を輝かせる理由がちょっとわかった気がしました。
「またやりたい」「お友だちにできること見せてあげたい」「自分で遊びを提案したい」と子どもが思ったとき、ハードルが低いのですよ。簡単な工作は……!!
簡単実験もです。
たくさんこうした体験を積むと、自分自身で、自分の時間を豊かにしたり、自分の欲求を満たしたり、自分で自分を喜ばせることが上手になってきます。
それで、いつもいきいきとして意欲的で、情緒が落ち着いた子になってくるのです。
 
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