King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

カクテル

2006年03月31日 01時24分39秒 | 日々のこと
最近の人はあまりカクテルは飲まないのかもしれません。
昔通ったバーに久しぶりで立ち寄りました。
私は今はアルコールは一切飲まないので、ペリエとか
そんなものしかオーダーしません。一緒に行った人達に
一通りのものを注文して、苗場で果たせなかったスノカンも
注文して、リベンジを果たしました。

まあ、青春の思い出として、昔飲んだカクテルができませんと
言われた苗場での経験が、いや自分の青春は幻で無いと
実感したくてわざわざこの昔通った店に足が向いたのでしょう。
よく考えてみれば、苗場でもスノーカントリーはメニューで紹介
されていたので、確実に今でも飲めるはずです。確か昔雪国と
名前はそういっていたかもしれません。

私が通ったバーでは、スノーカントリーと頼んでいたので、
どこでもその名が正式名だと思っていました。
あの寒い夜に窓に暖房で曇りができるようなそんな日には、
スノーカントリーをオーダーしたものでした。そして、最後に
帰りしな、マスターがじゃ最後にこれをと作ってくれたのが
ニコラシカでした。このニコラシカを苗場のバーで見て、ああ
ニコラシカですねと一言漏らしたのがきっかけで、出会いがあり
苗場を青春に地とする思い出となっています。

今日久しぶりに昔のバーへ行き、カクテルを注文してもどうも
他の客はカクテルよりもジンやラムなどを注文しているようでした。
さすがに本格的なバーで、水割りを注文している人はいませんが
カウンターでソーダを飲み昔話をしているのも奇異な感じには
変わりありません。

ここのマスターのマティーニは最高であり、過去にあの味に迫る
物を飲んだ事がなく、ゴードンジンとノアリーブラットという組み
合わせのマティーニを使う人もほとんどいません。そして今日
気がつきましたが、あのシェイカーの音もマスター独特のもの
だったのです。よくシェイカーの振り方がどうこう言いますが、
そんなことよりも、注いだ最後の振り方や切り方でその技の
到達度が解るのです。シェイカーを振った後、注いで氷が
カタッという音を出すのが今にも耳についていて、他の人が
シェイカーを振ってもああこれは偽者だと思ってしまいます。

そんな普段は思い出しもしない事が、懐かしいカウンターに
座った途端全てが思い出されました。あのマティーニに最後
に振り掛けるレモンの皮の人絞りでさえ懐かしく、グラスの
中の透明な液体と透明に輝く盛り上がったカクテルグラスの
中身を鮮烈に匂いも味も記憶に残っているのでびっくりです。
もうそれも飲むこともない。いやその香りでさえ再現不可能
かも知れません。それでも誰も困らないし、今でもこのバーに
通う人はいるので、まったく問題はないのです。そう、私も
マスターが健在でも今は酒をやめてしまったので、味わうことは
ないのですから。
コメント
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