King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

釘も木も腐らない

2011年01月07日 14時07分04秒 | 日々のこと
私のお気に入りのテレビに、唐招提寺の大改修を
扱ったものがあります。

2000年より、始まった大改修を扱ったドキュメンタリー
ですが、色々気づかせてくれるものがあります。

もともとの建築年は1200前ということですが、実は
正確な建築年は解らないと言うのですからすごい。

そうなれば、もはや古代からのメッセージ的な存在で
あり、そんな古代には釘や金物は使われていないものと
思ったら、実は釘は随分使われていて、1200年も経って
いるのにそれはさびてくずくずにもなっていないのです。

表面は確かにさびが出ていますが、まさか1200年もその
使命を果たしているとは。

更に、今回その釘は新しく作りなおしたかといえばさに
あらずで、更に焼き入れしてまた使われたのです。

木も1200年前の木が使われているのですが、一般の住宅
は30年もしたら建て替えられてしまいます。

それは木が腐ってしまうとか、釘がさびて朽ちてしまうとか
そういう風に信じ込まされているだけなのてかもしれません。

本来は、部分改修を繰り返せば普通の家も何年も建ち続ける
のではないでしょうか。

今回の改修ももともとは神戸淡路大震災をきっかけに
して、もし大地震が来たらという予定の元に、調査され
改修が決められたようです。

つまりは、1200年経ち続けた建物がそろそろ朽ちそうだと
いう緊急性を感じての改修ではないのです。

今大震災が来たら多分崩れるだろうという予測の元に
改修されたのです。

全ての部材がばらされて、新しい物が求められるところは
新たに作られました。

もしからしたらこれをまったく新しく作りなおした方が
早くて、経済的だったのではという感じもします。

現在の建築様式なら1200年建ち続けるものが作れるの
でしょうか。

そもそも強度試験や耐圧試験などの技術もなく、計算により
はじき出すという設計理論もなく、どのようにして400tもの
加重を受けて1200年も建つ建物ができたのでしょうか。

そして、なぜかデザインにははるか離れたギリシャの様式も
取り入れられるなど、航海技術もましてジェット機などの
移動手段もないのに、伝わっているのです。

この建物が我々現代人に伝えようとしていることは何なのか
叡智とは何か、永遠に続くとはなにかもう一度考えさせて
くれます。

まあそれが正月考えたことです。

現代を生きるとは、いい物を作るとは、人のためとは、
全て。

一人一人の考えから始まると思います。

コメント
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