昨年二度訪れ、されらにまた今度選んだ温泉とスキーの地は草津でした。
またここに訪れたわけは、ひとつには温泉の素晴らしさ。
値段の安さ。
実は、前回の蓼科のホテルから比べれば今回の支出は半分にも満たない
のです。
しかし三日間ここにいて飽きないゲレンデかというとそうも言いきれない
ものもあります。
そんなこともあり、初日はいきなりスクールに入ったのです。
久しぶりに技術的なことも聞きたいと思ったし、一人で滑るのに
飽きてきた時期だったので、リフト券と一日のレッスン料がセット
で7000円と格安だったのです。
そんなわけで、受付に行き申し込みをすると二級を持っていると
いうのにじゃあどのコースにすると上のランクから選べといって
くるのです。
こんな扱いを受けたのは初めてであり、昨年見かけたスクールの様子
からはちょっと違う雰囲気を受けました。
何か不安を覚えつつ、集合時間に集まると結構の人が集まっています。
そのばたばたした様子と講師のリフト券は持っているかと生徒の
世話を焼いている声はとんでもない世界の話を聞いているようで
暗澹たる思いを強くしていました。
普通、こういう平日のスクールで上級クラスを選択すれば、シリアスな
一級受験希望者や基礎マニアなどの技術志向がいても、一人か二人に講師
一人という密着講習が可能なのです。
ところが、今回は周りに現れたのは子供と久しぶりに板をはいたような
初心者のような人々の群れであり、それでも見ると中級と付けた人も
何人かいるという構成で、どうなるのかと思っているともう一人の
中級のおじさんと私という二人に一人の講師というクラス分けに
なりました。
もうはじめからこの講義で技術を思い切りあげるという雰囲気はなく
じゃあ何やりますかというので、いきなりコブの急斜面をやりたいと
いうことはもう一人のおじさんを連れて到底無理だろうと思い、一級
を受かるようにしてくれとも言えませんでした。
まず滑りを見せてくれというので、滑ってみせて一級は受けないのですか
という問いにそういう環境でもないしもうお金を払ってレベル付される
意味も見いだせないスキー経験をしているという説明を一応しました。
それをどう受け止めたのか、一応コブへ至るプロセスを一応やりました。
コブの講習を何度も受けた身にはもう既読のスキー雑誌を読み返す
ようなものだったのです。
それでも、人と滑る久しぶりのリフト上の会話などを楽しみました。
もう一人のおじさんは草津に30年以上通うという草津ファンで
東京から来たといいます。
講師の大周りから小回りコブという段階を踏んだ滑りの構造と
スタイルとそのコツをすべて聞き流したのか何をやらせても
いつも小回りに同じ滑りで降りてきていました。
中級というレベルを上級に上げるためのヒントを求めているふう
でもなく、何がこのスクールの目的なのかよく解りませんが、
多分私と同じで一人で滑るのに飽きたのでしょう。
講師は、滑るたびすばらしいとほめてはくれますが、どこが
癖で欠点になっていてとか指示や改善点の指摘はなくほめる
だけなのです。
スクールを何度も受験した身には、一目見たおじさんの滑りは
股関節を活かせておらずうち足がいつも遅れて滑りが破綻するのを
右足で耐えてという繰り返しの滑りでストックの付き方とか
姿勢とかいくつも指摘することができましたが、それをいじろうと
意志は見られませんでした。
心地よく過ごすというのがまず最初にあるのかそんなのんびりと
した雰囲気が漂います。
私としては、十数年ぶりに開いたという白根第二リフト沿いのコースで
コブの滑りをやってもらいたかったのですが、碌にコブのない青葉山
での講習で一日終わりました。
モーグラーの作ったリフト下の溝コブを滑って見せてくれと最後に
無理を言って滑り方を聞くと滑れませんと言い渋りましたが、実は
得意というコブの実力を最後に見せてくれました。
ただ合わせていくだけだというその滑りは早く板を振るだけで
私の知りたいモーグラーの板をバタバタやるものとは違いました。
それでも基礎滑りでも降りられるという見本を示してくれました。
私もすぐにまねしましたが、すぐにコースを飛び出してしまいました。
こういうコースにはコツがあるのです。最初の入り方で、下まで
行けることもあるし、最初でスピードが出過ぎるとそのまま続ける
ことは不可能です。
これをやったことで今までやったことやスクールで教わった滑りや
諸々を思い出したりできました。