King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

今月の季節のブレンドは

2019年04月01日 10時09分41秒 | 珈琲

またちらほら聞かれる今ある豆はという問い合わせですが、

今はほんのりと甘い豆だったり、ストレートにうまみを感じられるものを

中心に焼いています。

 

パプアニューギニアパラダイスプレミアムは今まで日本には入ってこなかった豆で

高品質というだけでなく、味もしっかりとしたいつも信頼の味であり、どんなお客様にも

安心してお出しできるものがあります。

 

日本では依然強いブルーマウンテン信仰ですが、それなどもこの豆を知れば、ああ

そういう事だったのかという感じを受けるでしょう。

元々ブルーマウンテンと同じティビカ種でコーヒーの世界ではもう忘れ去られた

初期の品種です。似たようにブルボン種というのがありますが、これなども今

盛んに高品質として取引されている中米の豆がほとんどがこのブルボン種であり、

柔らかく特殊な酸が尊ばれています。

 

ですが、うまさという事でいうとティビカ種の深い懐に比べたらブルボン種は

ただ苦みの少ない味の薄い豆に感じられることでしょう。

 

同じくインドネシアのアラビカ種で今でも栽培されているものは希少性もあり

よく幻の豆として高値で取引されています。ひところゴールデントップとかゴールドマンデリンと

いう名で取引されていたのですが、最近のスペシャルティ市場ではこのマンデリン系は

あまり人気がなく、おいしいのに専門店で姿を見なくなったものです。

 

という事でインドネシアは今まで希少で味も良いものが選び放題で、ガヨマウンテンなども

普通に手に入ります。

 

そんなマンデリンの中でもこれもマンデリンの一種というと大変驚かれるのがクィーンスマトラ

です。

 

これなどもスーパーマンデリンとか色々と店により呼び名が違うので解りづらいのですが、

値段とうまさが一番逆乖離している豆です。

 

世が騒ぐゲイシャや中米のスペシャルティなんかより、珈琲らしい味をという事ですと

やはりこのようなパプアニューギニアやガヨ、クィーンスマトラといったものになるのです。

 

さらに珈琲らしい味を知る人はモカマタリを選びますし、エチオピアのシャキッソも

フルーティーでスペシャルティらしい味を楽しめます。

 

通常スペシャルティというととかく200g2000円以上の物やコンテスト入賞とか受賞豆が

もてはやされていますが、そんなのよりうまいものが当店の豆のラインナップであり、

さらにお客様のご要望でこんな感じの豆がほしいという要望があればこんな感じの豆がと

応えられるのです。

 

ただ、実際にはハワイコナがないかとかブルーマウンテンはないかという問い合わせ

ばかりなのです。それより安くてよい味のものがありますよと言ってもそれはよかったと

ならないのです。不思議なものです。

 

当店にもコンテスト入賞の豆やエスメラルダ農園のゲイシャはあるのです。

 

高いホワイトキャメルやクリスタルマウンテンもあるのです。

 

それでも一番売れていくのは毎月の季節のブレンドです。

今月は『春光』です。

 

太陽を受け一斉に芽吹き出す木々とその輝きを意識してブレンドしました。

春というほんわりと温かいイメージを浮かべる人が多いと思いますが、

より峻烈な光のイメージで強い季節風と

ともに訪れる厳しい春という今時の感じを表しつつ、雪国では厚い雪が崩れて

地面が現れるともうすでに草々は青々と群れており、雪の下でしっかりと準備

されていたことを知ります。そんな劇的に訪れる春を感じてみてください。

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