朝のモーニングショウは相変わらず新元号がらみの万葉集をとりあげて
いました。
そんなのを横目にしながらネットを見ていたのですが、ふと聞こえた歌に
手が止まりました。
それが
家にあらば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る
です。
この歌は中学時代に教科書に載っていて授業でやったものです。
テレビで解説で囚われて護送中に詠んだ歌とされていました。
私が授業でやった時にはただ単に旅行中は草の上に盛って食べるわびしい物よという
嘆きを歌ったものだと教わったのです。それにしても不思議な感じを受けたので今でも
覚えています。なんで草の上なのか。旅行中当時は食器も使えなかったのかと。
ところが、囚われて護送中に詠んだ歌だったというのは新情報です。番組ではなぜ
囚われたかとか歴史背景は触れられていませんが何故取り上げたかというと罪人でも
防人から天皇まで身分の分け隔てなく取り上げていたという事での紹介だったのです。
まあテレビの底の浅さは今に始まった事ではないにしろこれは私にとっては新情報であり、
なぜ当時あんな浅はかな内容で終わってしまったのかとても気になりました。
作者の有間皇子が謀反人であったことやこれが辞世の句となったことなどが授業では
なかったことにとんでもない片手落ちだったことを今知ったというのは衝撃でした。
そもそも当時の授業に限らず、今でもこの万葉集に防人の歌があるというのは皆
習うにしても防人が何で配置されたかとか当時関東圏から派遣された防人とは
どんな任務だったかなどというのは誰も考えもしないのです。
それには日本が白村江の戦いに敗れて海外線の防御のため兵を派遣したことを知らなければ
ならないのですが、
そもそも交通機関のない当時関東圏の人を派遣するというのは既に死出の旅であり、
決死の覚悟と国の任務に選ばれたという事で詠んだ歌であるという事です。つまり今でいえば
何かあると被災地の様子が出たりするのと同じで国家的事業で死出の旅路に着く人の歌も
国の代表として万葉集にも載せたということだと思います。
白村江の戦が防人の必要性が生まれたことやその後遣唐使の航海にまで影響がある
のですが、それらの関連性については学校では教えてくれません。それほど日本の
国際的な歴史というのは満足に教えられていないので国際感覚とか政治に関心など
生まれようもないのです。
今万葉集を買い求めている人が何を考えているのかは不明ですが、ただはやりだからと
いう以上のものを感じてもらえるといいのですが。
また一つ驚いたこととしては『ビートルズEIGHT DAYS A WEEK』を見て平成を振り返る
番組のの中でこれはまた一つ違う角度で時代を振り返り新鮮な見方をさせてくれました。
ビートルズの映画は今までいくつもありましたが、これはリバプールのナイトクラブから
世界に羽ばたき最後のアップル屋上でのライブまでをまとめたものです。メンバーが
それぞれどんな人生を辿ったかなどという情報はなくただ当時のライブの状況などが
インタビューとともに紹介されるのです。
そこで新情報と新視点は1964年のアメリカ公演での問題です。当時は人種隔離政策が
アメリカにもあり、コンサート会場に白人席と黒人席があり、ビートルズはそれでは
演奏拒否を表明し、アメリカで初人種隔離撤廃のコンサートとなったという事実です。
それと日本の公演の模様も出てくるのでが、これが日本でもよく紹介されることのある
当時の模様ですが、それにはない情報として当時激しい右翼の活動があり、警察の厳重警備と
ビートルズはホテルと会場以外の外出禁止の厳戒態勢だったことを知ります。
そして昨日ベネディクト・カンバーバッチの『ブレグジット EU離脱』実録ドラマという
イギリスのEU離脱を描いたものでは、今までにないアルゴリズムと今まで投票してこなかった
票の発掘などで国民投票を離脱に導いた男の話をみてこれの延長にトランプ大統領の誕生も
あったのかなという内容でした。
これらの時代的な一連の物をあじわいつつ今朝も季節のブレンド『春光』で思い返しています。