金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

133:中島義道 『哲学者というならず者がいる』

2010-08-01 19:36:04 | 10 本の感想
中島義道『哲学者というならず者がいる』(新潮社)
★★★★☆

「新潮45」に連載されていたエッセイ。
例のごとく、過剰な暖房や照明に怒り、
おせっかい放送に怒り、善良で鈍感な一般大衆に怒る。
前にも同じような話を読んだような?という部分も
あったのだけど、おもしろかった。
小谷野敦からの批判への返答もあり。
愚鈍な一般大衆の一人であるわたしは、
著者の怒りの行動が痛快で、読んでいて楽しい。

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132:関口尚 『空をつかむまで』

2010-08-01 09:08:35 | 10 本の感想
関口尚『空をつかむまで』(集英社文庫)
★★★★☆

膝の故障をきっかけにサッカーを諦めた中学三年生の優太は、
将棋部に入ったはずが、泳げないデブのモー次郎といっしょに
むりやり水泳部に入部させられる。
県の記録保持者である「姫」と3人しかいない水泳部は、
顧問の指示で、廃校が決まった美里中学の名前を残すため、
やったこともないトライアスロンの大会に出場することになる。

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これも入試でよく出てるな~という印象の本。
トライアスロンはあくまできっかけに過ぎず、
スポーツものというよりは友情と恋愛の青春ものと
いった感じ。

この著者の小説はこれで三冊めなんだけど、
毎回消化不良というか、もっと丁寧に書いてあったら
説得力もあっただろうに……と思うところや、
釈然としないところが多くて、もやもやしちゃう。
「もっと大切にしろよ!」って好きな女の子のことで
殴りあったりとか、いまどきあるの??
姫が優太に心を開くのも、いまいち納得できず。

ラスト40ページは(伏線があったものの)
やや唐突ではあるけれど、急展開。
釈然としなかった部分をすべて
吹き飛ばしてしまうくらいの素晴らしさ。
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