金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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22:浜なつ子 『北の動物園できいた12のお話 旭山動物園物語』

2012-02-25 12:35:50 | 12 本の感想
浜なつ子『北の動物園できいた12のお話 旭山動物園物語』(角川学芸出版)
★★★★☆

仕事で読んだ本。
わたしは動物嫌いというわけでもないのだけど、
好きというわけでもなく、単純に興味がない。
なので、映画でも本でも「動物が出てくる感動の物語」には、
時間を割きたくないという理由で、手を出さない。
(『かわいそうなぞう』のトラウマもあるかもしれない
旭山動物園関係の本は仕事で結構読んでいて、正直なところ
「またか~」「心温まる感動秘話とかだったらやだなあ」
と思っていたのだけど、意外や意外、おもしろかった。

動物のある行動を見て「人間と心を通い合わせた」と
とらえるのは、野生動物を擬人化した勝手な見方、
という考え方が第1話からはっきり提示されていて、
登場する動物園関係の人々にその考えが行き渡っているので、
全編にわたってそれが一貫している。
動物の生態がわからなかった時代に、誤って動物たちに対して
してしまった処置とその結果が、きちんと書かれているのも
好感が持てる。
ゾウが「その場で怒りをあらわにしないが、
ずっと覚えている根に持つ動物」だという話もおもしろかった。

『旭山動物園12の物語』として文庫落ちもしている模様。
ところどころ難しい言葉や内容もあるけれど、
小学校3~4年生くらいから読めるんじゃないかな?
「動物の赤ちゃんをだっこするのがなぜいけないのか?」
など、小学生は感情が阻んで理解できなさそうだけど。

好み度でいえば★4つだけど、内容としては★5つ。
コメント
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