金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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18:朝比奈あすか『翼の翼』

2022-01-29 13:38:40 | 22 本の感想
朝比奈あすか『翼の翼
★★★★☆4.5

【Amazonの内容紹介】

専業主婦、有泉円佳の息子、翼は、
小学二年生で中学受験に挑戦することになる。
有名私立の中高一貫校を受験した経験のある夫真治と、
それを導いた義父母。
中学受験にまったく縁のなかった円佳は、
塾に、ライバルに、保護者たちに振り回され、
世間の噂に、家族に、そして自分自身のプライドに
絡め取られていく。
入試問題頻出作家が、過熱する親の心情を余すところなく描いた、
凄まじき家族小説。

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先輩に借りた本。
詳しくない、教育熱心でないふりをしてしまう母親の心理、
「子どもの希望」という形にするための誘導。
「あるある」のオンパレードで、リアルすぎて息苦しい……。

たった数日でも親の叱責を回避したいがために
バレるとわかっている嘘をつく子どもも、
冷静で賢い人だったのに、できない子どもに
暴力を振るうようになったお母さんも、
中学受験で関係が破綻してずっと修復できなかった親子も、
実際にいた。
いつの間にかどんどん視野が狭くなって、
「これしかない」「仕方ない」と異常な状態を肯定してしまう、
そのあまりにも自然な移行が描かれている。

中学受験をすると決める前に読んでほしいけれども、
実際受験ルートに入ったら
「自分はこうはならない」と思った状態に
結局陥ってしまう人が多いんじゃないだろうか。

そして、やっぱり「子どもの評価=自分の評価」になってしまうし、
子どもと自分を別個の人格・人生として切り分けて考えるのは
難しいのかも。

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17:近藤史恵『スーツケースの半分は』

2022-01-29 13:36:03 | 22 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで
青いスーツケースに一目惚れし、
憧れのNYへの一人旅を決意する。
出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、
鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。
やがてその鞄は友人たちに手渡され、世界中を巡るうちに
“幸運のスーツケース”と呼ばれるようになり……。
人生の新たな一歩にエールを贈る小説集。 

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ずいぶん前に買って、積読していた本。
旅をめぐる連作短編集。
さらっと重い事件も出てくるが、
全体的には軽やかで、前向きになれるような話。

「自分は世界を知っている」的な旅自慢のバックパッカーには
近寄りたくないと思ってる。
でも第三話に出てきた男のように、ホテル内で食事をすべて
済まそうとしたり、ツアーコースだけで終わったりするのも
イヤなんだよな~。
外を気ままに歩いたり、自分で選んだ現地の料理を食べたりしたい、
という気持ちはある。

後半、ちょっと話のつなげ方が無理矢理になってきた感があるけれど、
全体的にはおもしろかった。
読むと旅したくなる本だけれども、気ままにそれができる日は、
いつやってくるのだろう……。

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「日本人のおなまえ  『鎌倉殿の13人』SP」

2022-01-29 13:23:46 | 2022年に見たドラマ・アニメ
NHKオンデマンドにて。
記録だけ。

「姓」と「名字」の違い、
源平の歴史、
御家人たちが名字を名乗っていた理由、
頼朝にちなんだ地名や名字等々。

『鎌倉殿』で名字のあとにも「の」を入れているのは、
ちゃんと理由があるとのこと。

それにしても山本耕史、光で飛ばしているとはいえ、
お肌つやっつやだな~!!
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大河ドラマ「草燃える」 総集編 第五回

2022-01-29 13:19:20 | 大河ドラマ「草燃える」総集編レビュー
第五回「尼将軍・政子」

【あらすじ】

二代執権・北条義時は、一門の権力を盤石にするため、
重臣・和田義盛の追い落としを図ります。
さらに、三代将軍・源実朝(さねとも)が
頼家の子・公暁(くぎょう)に暗殺されます。
鎌倉の混乱を察知した後鳥羽上皇は、承久3年(1221)、
北条追討の院宣(いんぜん)を発します。
対する政子は鎌倉の御家人を集め、涙ながらに団結を訴えました。
政子の演説に奮い立った御家人たちは朝廷軍に圧勝し、
ここに執権政治が確立します。

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続・内ゲバ編。

畠山重忠:だまし討ちされる
北条時政:娘と息子に追放される
和田義盛:蜂起して滅亡
源実朝:甥の公暁に殺される
公暁:三浦に裏切られて殺される

キャラ立ちしておらず、好きも嫌いもなかった義時だが、
感じ悪ーい!!
権力を握っておかしくなっていること、
十郎に指摘されて、彼の目を潰してしまう。
総集編だから、この後の事情はよくわからないのだが、
琵琶法師になって現れた十郎に、
「わしだ、義時だ!」
と懐かしげに(?)言うとこ、
「頭おかしいんじゃないの??」って思った。
両目潰しておいて、良心の呵責がないのか。
恨まれているとも思わないのか。
気持ち悪かった……。

公暁、悲しいね。
自分がいるのに、
「将軍の跡継ぎがいないから、京から将軍を迎えます。
 お前は出家しろ」
って北条が言うの、完全に自分たちの都合だもん。
原作は永井先生なので、実朝暗殺の黒幕はやはり三浦。
公暁をそそのかして実朝を殺させ、
同時に義時も殺させようとするも、
義時の殺害がかなわなかったので急遽、
公暁を口封じのために殺してしまうことに。
このときの駒若の苦しみが、
『執念の家譜』につながっていくのね。
承久の乱の際、真っ先に義村が政子に賛同して声を上げるの、
「お前、よくものうのうと……」
という感じがある。

承久の乱には勝利したものの、
「私にはもう誰もいない」
と泣く政子。
無常をうたう平家物語の語りともあいまって
バッドエンドの雰囲気。
しかし義時は、平家の運命を自分に重ね合わせはしない。

最後まで大部分の人の顔が覚えられなかった……。
時房も、ちょこちょこ出てきていたんだと思うけど、
「この場面でこのポジションってことは、これは時房?」
くらいの認識。

【その他いろいろ】

・和田義盛が端正すぎる。

・小夜菊、何のために出てきたの??
 (後で調べたら、どうやら亀菊ポジションのキャラだったらしい)

・「父上、名越の邸なんかに何しに行ったの??」
 と全然気づいてない泰時、可愛い。
 (義時、妻に酷似した女に即刻手をつけていた)

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