2024年の映画①『落下の解剖学』(ジュスティーヌ・トリエ 監督)
★★★☆☆
★★★☆☆
映画館にて。
あ、フランス映画でしたか、道理で……
と見終わった後で思った。
法廷でのシーンはなかなかにスリリングで、
新たな情報が次々に出てきて「いったいどうなるの~?」的な
揺さぶりはかけられるものの、
爽快な大逆転も、判決後の意外な告白もない。
真相も明示はされない。
途中から「まだ終わらないのかな~」と思いながら見ていて、
これだけ引っ張るんだから、
最後に主人公がすべてをひっくり返す告白をするのだろう……と
期待してしまった。
その類いのエンタメに慣れすぎてしまった。
タイトルに「解剖」が入っているのは、
夫婦関係や親子関係が孕んでいた問題を暴かれるから?
子どもの視力を奪った事故という大きなファクターはあったのだけれども、
「妻は作家として成功しており、夫も作家になりたがっていた」
というこの一点だけでも、
夫婦関係が健やかに保たれるわけないと思ってしまう。
友人間、兄弟姉妹間でも関係を平穏に保つのは
難しいんじゃないだろうか。