金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

16:佐藤秀明 『日本の路地裏100』

2012-02-15 10:46:46 | 12 本の感想
佐藤秀明『日本の路地裏100』(ピエ・ブックス)

蔵書整理のため再読
ブログを見たところ、買ったのは2006年らしい。
いまAmazonで見てみたら、『新・日本の路地裏』という続編が出ている模様。

行ったことのない場所だけれど、子どものころに暮らしていた家の
近所で似たような風景を見たことがあるような、
郷愁を感じる路地裏の写真の数々。
今にも曲がり角から人が出てきて、何かが起こりそうな、
日常と地続きの場所にある世界が切り取られている。

初読時にも書いたけれど、写真と地名の照合が面倒。
「○○県△△市 ×ページ」
みたいに地方ごとにまとめて記載されており、
写真番号なんかも振っていないので、
「これはどこの写真だろう」と思っても
すぐに確認できないのであった。

2006年の段階で「行きたくなった」と書いていた角館には行きました。
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15:小池龍之介 『考えない練習』

2012-02-14 11:33:07 | 12 本の感想
小池龍之介『考えない練習』(小学館)
★★★☆☆

「忙しい時期に読んだけど書くのを忘れてた本」その3。

ずいぶん前のベストセラー。
これ、いつ読んだんだっけ……?
忘れたけど、今年に入ってから再読しているから、
今年の本としてカウント。
確か、籐子ちゃんのレビューを読んで
「ダイエット」に食いつき、買ったはず。
ダイエットについては……一日だけ実践した

考えることを放棄するのではなく、
すべての失敗の原因である考えごと=思考を
コントロールしよう、というのが主旨。
「ありがとう」と思っていないのに「ありがとう」と言うのはいけない、
「ありがとう」という言葉を使わずに感謝の意を伝える工夫をする、
というのはよかった。
社交辞令は必要だけど、それもやっぱり嘘の一種で
本当に平然としていられるわけじゃないしね。
それほどインパクトもなかったけれど、それなりにおもしろかった、
ということで★3つ。
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14:石井好子 『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』

2012-02-13 15:10:48 | 12 本の感想
石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(暮しの手帖社)
★★★★☆

おすすめ本としてよく見かけるので、
もうかれこれ5年くらい、読もう読もうと思いながら
読まずにいたロングセラー。
シャンソン歌手であった著者が、海外で口にした料理を中心に
食にまつわる思い出をつづったエッセイ。
初版が昭和55年なので、「しゃぶしゃぶ」や「チーズフォンデュ」が
珍しかったんだなあ……と時代を感じる部分もあり。
しゃぶしゃぶって、もとは大阪の料理だったんだって!

夜中に読んでいるとおなかがすく。
そして、食べ物にまつわる記憶がよみがえる。
バイト仲間の友だちとよく行った鵜飼村の
「すぱいすや」というお店のガーリックトーストが
すんごくおいしかったなあ……。
社会人になってからも、お店がなくなるまで
何度も行っていた。

スタッフドトマトが食べたい。
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NHK大河「平清盛」レビュー⑥

2012-02-12 21:07:52 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第6話のあらすじ】

海賊討伐のため安芸の海にやってきた忠盛たち。
自分をかばって乳父が負傷した清盛は、
高階通憲とともに海賊の唐船に乗り込むことに。
捕縛されて閉じ込められた二人は、海賊の棟梁・兎丸と出会う。
負けた方が勝った方の知りたいことに答えるという賭けを持ちかけ、
兎丸に勝った清盛は、唐船を見て回る。
海賊王となって民を苦しめる世を変えたいという兎丸に
共感した清盛だったが、兎丸がかつて、
自分が忠盛の子でないことを教えた子どもだったことに気づく。
兎丸も相手が父の敵の子であることに気づき、
清盛を人質にして、忠盛をおびき出す文を届けるのだった。

**************************************

正直、「俺は海賊王になる!」(by ルフィ)も
兎丸のノリツッコミも、海賊討伐にまつわる一連の流れは
心底どうでもいいって感じだったのだけど、
忠正が、忠盛に
「わしは清盛などいなくてもよい。
 なれど兄上にはなくてはならぬのであろう」
と言ってたのには心動かされちゃった。
前回から好感度アップの忠正おじさん。
保元の乱の泣かせ演出のための伏線なのね……と
ひねくれた見方もしちゃうんだけどね!

東国へ向かった義朝は、尾張・熱田神宮で
源氏を見下した由良姫を罵倒して、ハートをゲット。
「醜い女!」と言われてときめいちゃう由良姫の気持ちが
まったくわからないのだが……マゾだと思えばOK?

【今日の昼ドラ】

通路で行き会った璋子と得子。
得子「妊娠したわよ、ふふん」
璋子「ご苦労さまです」

平然としている璋子にキーッ!!となっちゃう得子。
え、それだけ? 今回、鳥羽の発狂はないの?
物足りな~い……と思っていたら、
いつのまにか西行と堀河局がデキておった!!
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13:金子由紀子 『時間上手の暮らし方』

2012-02-11 19:51:10 | 12 本の感想
金子由紀子『時間上手の暮らし方』(アスペクト文庫)

「忙しい時期に読んだけど書くのを忘れてた本」その2。

『わたし時間のつくり方』の文庫版。
タイトルは変わっているけど、内容は同じ。
「達人」でもなく、成功したいわけでもないフツーの人のための
時間の使い方、というのが売り。
忙殺されていたときにこれを読んで、「危ない、危ない」と我に返った
我を失い、生活が荒れているときに読むとよい。

再読なので評価はなし。
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12:ドミニック・ローホー 『シンプルに生きる』

2012-02-11 19:38:19 | 12 本の感想
ドミニック・ローホー『シンプルに生きる―変哲のないものに喜びをみつけ、味わう』(幻冬舎)
★★★☆☆

「忙しい時期に読んだけど書くのを忘れてた本」その1。

シンプルライフの発想は日本社会にもかなり浸透していると思うので、
その点ではもう内容に目新しさはない。
すでに別の本で読んだ内容ばかりなので、
「目からウロコ!」みたいな感じはまったくないのだけど、
とかく忙しい時期というのは心に余裕がなく、
どんどん書類やものが入ってきて部屋も荒れるし
スケジュール管理もできなくなる。
そういうときにありきたりな内容であっても
この手の本を読むと、「とりあえず何か片付けよう」という気分に
なるからよい。

新しい内容を期待する人にはおすすめしない。
シンプルリスト』と『シンプルに暮らす』のほうが
具体性があっておもしろかったかも。
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11:土橋真二郎 『扉の外』

2012-02-08 11:06:39 | 12 本の感想
土橋真二郎『扉の外』(電撃文庫)
★★★☆☆

千葉紀之が目を覚ますと、そこは密室だった。
修学旅行に行くはずだったのに、なぜかクラス全員が
密室に閉じ込められている。
呆然とする皆の前に現れた“人工知能ソフィア”は、
自分の示すルールに従っていれば生命は保証されると言う。
しかし、紀之は装着されていた腕輪を外し、
ソフィアの庇護を拒否してしまった。
他のクラスメイトはルールの支配する日常を営み始めるが、
紀之はその中で孤立することになる。

*******************************

生贄のジレンマ』の作者のデビュー作。
シチュエーションの大枠は『生贄~』と同じ。
この『扉の外』の2巻・3巻、ほかの本も同じ感じらしいから、
この作者のパターンなのかもしれない。
キャラクターも似ている。
「中二病です!」って感じの主人公は好きになれないし、
『生贄~』以上に放りっぱなしのラストにはもやもや。
でも集団の中の人間関係がたどる変化や
キャラクター同士のやり取りはおもしろく、
読んでいる間は引き込まれる。

作者は幼児体型が好きなんだろうか……
「ヒップ」という表現から、ものすごいオヤジ臭が立ち上る。

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想像力の限界。

2012-02-05 21:40:12 | おでかけの記

庶民が思い描く貴族生活の限界……
ヒルトンのエグゼクティブルームに泊まりました。

写真はウェルカムクッキー。
お部屋は高層階で、広くてきれい。
書き物用のデスクがあるのもうれしい。
エグゼクティブフロアに宿泊すると、専用ラウンジで
飲み物の無料サービスが受けられるのだけど、
アフタヌーンティーの時間にはケーキとクッキー、
夕方からの「ハッピーアワー」にはアルコールと
オードブルがいただけるとのこと。
自分がそんなに飲めず、アルコールが好きなわけでもないと
わかったので、わたしはシャンパンを1杯だけ

秋からあんまりにも忙しくて心に余裕がなかったので、
ひと段落ついたところで、仕事とネットから隔てられたところに
身を置こうと思ってやってきた今回。
もともとホテルステイは好きなんだけど、
完全に毒素が抜けた感じで、考え事もでき、
今回は本当に満ち足りた……
3か月に1回くらいなら堪能しても
許されるであろう贅沢。
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NHK大河「平清盛」レビュー⑤

2012-02-05 20:48:57 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第5話のあらすじ】

飢饉への策をともに講じたいと意欲を示す崇徳帝だったが、
鳥羽上皇はその申し出をはねつけ、権力を譲ろうとはしない。
璋子は藤原長実からその娘・得子を帝へ入内させるために預かり、
鳥羽上皇への取り成しをするが、
白河院との思い出を無邪気に語って上皇を激昂させてしまう。
上皇は怒りのあまりに得子と関係を持ってしまい、
得子はこの後、鳥羽上皇の后となった。

平氏一門は、瀬戸内海を荒らす海賊討伐を命じられる。
忠盛が清盛を討伐の一員に加え、家盛には都の留守役を命じたことに対し、
叔父の忠正は、跡継ぎについての忠盛の考えを問う。
安芸でも、鱸丸に対する扱いをめぐり、
清盛と忠正は対立することになり……

**************************************

義朝&西行というイケメン2人(おまけで清盛も)を出会わせる
サービスを交えつつも、話が淡々と進んでいった今回。
西行は「美しさを求めておるだけだ」と語る耽美派。
そして義朝は、また忠盛に差をつけられてしょんぼりなオヤジを
「東国に行ってきます!源氏再興のために頑張ろう
と元気づける孝行息子なのであった。
清盛・西行・義朝の若者3人組設定はどうでもいいんだけど、
為義と義朝の組み合わせにはときめくわ~。

以前からやたらと清盛につっかかる叔父・忠正は、
今日も相変わらず大人げなくからんでくるのであった。
「平五郎も自分の子も家盛も、赤ちゃんはみーんな可愛いけど、
お前は可愛く思えなかった」
「お前が禍の種としか思えない」
とか、存在を全否定するようなセリフを言いながらも、
自分でもそれが不当だとわかってる、という心情を吐露。
単純なイジワルおじさんじゃない描き方はよかったけど、
だからこそ清盛としてはやり切れないじゃないのよ。

阿部サダヲの信西はほんのりギャグ風味のキャラでいく様子。

【今日の昼ドラ】

鳥羽「なぜ入内した?」
璋子「法皇様がしろっていったから。法皇様と離れて悲しくてつらくって、
   そしたらあなたが里帰りしてもいいって。
   法皇様に可愛がってもらっちゃった
 ↓
鳥羽 発狂
璋子 ぽかーん

鳥羽はマゾなの?
なぜ自分の傷口を開いてえぐるような真似を……
セルフSM(自家発電)を繰り返す鳥羽は、
「思い通りにさせるかー!」
と璋子が崇徳のところに入内させようと思っていた得子に
襲いかかるのであった。
しかし思いがけない得子の腹黒っぷり。
病気レベルの天然と腹黒の女の戦いに期待。
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10:若竹七海 『スクランブル』

2012-02-02 19:04:05 | 12 本の感想
若竹七海『スクランブル』(集英社文庫)
★★★★☆

友人の結婚式で集まった高校時代の文芸部員の仲間たち。
彼女たちの胸に去来するのは、15年前の冬、
通っていた名門女子校で起きた殺人事件。
未解決のまま時効を迎えた事件の真相が
いま明らかにされる。

**********************************

いや~おもしろかった!!
学園ミステリーなのだけれど、それを構成するのは、
臆病さを隠して理論武装で毒を吐いたり、
学校内での人間関係の中でおびえながら自分の居場所を求めたりする、
学校やクラスでの「主流」にはなれない女の子たちの日常。
文芸部のちょっととんがって理屈っぽい面々は、
飛鳥とラビ以外キャラクターの区別がつかなかったんだけど、
それでも楽しめた。
雰囲気はまるでちがうけれど、
「女子校・文芸部・学園ミステリー」という組み合わせは、
桜庭一樹の『青年のための読書クラブ』と同じだね。
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