金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

14:田中修 『花のふしぎ100』

2017-01-19 21:04:30 | 17 本の感想
田中修『花のふしぎ100』(SBクリエイティブ)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

美しい花には驚くような工夫がある
花は、その美しさばかりが強調されますが、
植物にとってはタネをつくるための大切な器官でもあります。
本書は、植物生理学者の著者が、
花に関する素朴な疑問にやさしく答えます。
花がもつふしぎなしくみとその働きに、驚かれることでしょう。


ガーデニングや生け花など、花を愛で、
楽しむ心を日本人はもち続けてきました。
花は、その美しさばかりが強調されますが、
植物にとってはタネをつくるための大切な器官でもあります。
本書は、ネット上での一般アンケートに加え、
小中学生から集めた花についての疑問を厳選し、
植物生理学者の著者がやさしく答えます。
花がもつふしぎなしくみとその働きを、楽しんでください。

**************************************

面白かった。
雑学的な第1・2章がいちばんおもしろかったけれども、
植物生理学の専門的な内容が多くなる後半も楽しく読めた。
明るい時間ではなく暗い時間の長さを基準にして
植物が花を開く時期や時間帯を調整しているという話は
すでに知っていたけれど、
「つぼみをつけることは、芽や葉を作り続けることを放棄すること」
「桜は夏の段階ですでに新しいつぼみを作っている」
など、へえと思う内容が満載。
オールカラーなのもいいね。


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13:拓未司 『恋の病は食前に』

2017-01-18 23:55:18 | 17 本の感想
拓未司『恋の病は食前に』(朝日新聞出版)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

グルメ評論家として有名な草刈春男だが、傲慢で扱いにくくその上、
「一目ぼれしやすい」厄介な男。
取材で訪れた店員の女性、同窓会で久しぶりに会った同級生、
ゲスト出演したテレビのアシスタント……。
その恋愛のカギとなるのが、横手焼きそば、姫路おでん、
厚木シロコロホルモン、肉巻きおにぎりといったB級グルメだった! 
笑えてほんのちょっとしんみりの人情ラブコメ。

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初めての作家さん。
傲慢で妄想と現実を混同して突っ走る、デブの料理評論家・草刈春男と
B級グルメをからめた連作短編集。
最初の2編は、それほど面白いと感じなかったのだけども、
話数を重ねるにつれて、だんだん春男に愛嬌が感じられるようになってきたし、
作家さんも作品世界に慣れてきたのか、後半、特に、第4・5話は楽しい。
気持ち悪いしはた迷惑だし、できれば近くに存在してほしくない春男だが、
好きになった女性のために突っ走る姿は愛しい。
第4話、息子に貧乏を感じさせないように頑張るお母さんと、
それを息子に気づかせる春男がよかったな。


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12:三島由紀夫 『春の雪―豊饒の海・第一巻』

2017-01-18 17:15:31 | 17 本の感想
三島由紀夫『春の雪―豊饒の海・第一巻』(新潮文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

維新の功臣を祖父にもつ侯爵家の若き嫡子松枝清顕と、
伯爵家の美貌の令嬢綾倉聡子のついに結ばれることのない恋。
矜り高い青年が、〈禁じられた恋〉に生命を賭して求めたものは
何であったか?
――大正初期の貴族社会を舞台に、破滅へと運命づけられた
悲劇的な愛を優雅絢爛たる筆に描く。
現世の営為を越えた混沌に誘われて展開する
夢と転生の壮麗な物語『豊饒の海』第一巻。

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もう何年も前から、読もう読もうと思いつつ読まないままだった本。
妻夫木聡と竹内結子で映画にもなっていたなあ。

重厚な文体で描かれる大正期の華族社会と悲恋。
恋の始まりの息詰まるような官能は見事で、
読んでいて胸が苦しくなるくらいだったのだけども、
どうも主人公が身勝手すぎる上に気持ち悪く、
転生を見届けたいという気持ちがまるで湧いてこない。
いや、現代と感覚が違うのは百も承知だし、
身勝手になるのが恋だと言われればそうなのだけれども、
のっぴきならない立場に聡子を追い込んだ、そもそもの発端は、
「童貞をこじらせた清顕の嘘」なので、何となく間抜けなんだよな~。
嘘をついたのはお互い様だが、清顕の行動は「今頃何言ってんの?」としか思えず、
悲劇的な彼の最後にも「自分に酔ってるんじゃないよ……」以外の感想が出てこない。

終盤で明らかになる綾蔵伯爵の「復讐」は、
公家華族の困窮が知識としてあるだけに面白く感じられたんだけど。


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11:門井慶喜 『ホテル・コンシェルジュ』

2017-01-17 18:24:08 | 17 本の感想
門井慶喜『ホテル・コンシェルジュ』(文藝春秋)
★★☆☆☆

【Amazonの内容紹介】

コンシェルジュは名探偵!? 名コンビ九鬼&麻奈登場

「盗まれた仏像を取り返せ」「アメリカ大使の暗殺計画を阻止せよ」。
どんな難問もホテルポラリス京都のコンシェルジュがズバリ解決。

**************************************

読んだのは単行本版。

なんとなんと、このタイトルで、
「ホテル・コンシェルジュ」である必要はほとんどないのだった!!

ホテル成分に期待していたので、がっかり……。
しかも、内容紹介には「名コンビ」とあるが、
麻奈は存在しなくても話が成立したような……。

大きな欠点もない代わりに、美点もない、あっさり風味の一冊。
謎が提示され、きちんとそれが説明され、
それなりに納得のいく内容になっているのに、
先が全く気にならないという不思議な本だった。
「そうだったのか!」という爽快感のようなものがないせい?
あるいは、登場人物の誰にも魅力が感じられないせい?
謎を持ち込む清長とあき子には毎回うんざりさせられた。
デフォルメされたキャラは、面白ければいいんだけど、
そうじゃないとつらい。


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大河ドラマ「おんな城主直虎」#2

2017-01-15 20:49:51 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#2

2話めにして、すでに間延びした印象。
おとわの天真爛漫ぶりも、ここまで繰り返されると鼻につく。
大人の理屈が通用しない点ではリアルな子ども像なのかもしれないけど、
特に子ども好きというわけではないわたしは、
おとわの態度にイラつきっぱなしなのであった。
親をアホ呼ばわりしたところでは、
天真爛漫ぶりっこがよけいに癪にさわり、ビンタかましたくなったわ……。
(このときの怒った顔の財前直美は、いかにも「財前直美!」って感じであった)
子ども時代にかなり尺を取ってるという話だけど、
このヒロインに耐えられるのか自分……。

亀之丞は相変わらず可愛らしく、いじらしく、
逃亡中に倒れるあたりやはりヒロインポジション。

そして、亀の代わりにおとわと結婚する話が進んでも少しも喜べない鶴、
父のしたことを黙っていられずおとわに話してしまう鶴、
夫婦約束を反故にするにはどうしたらいいのかとおとわに言われて傷つく鶴。
一人だけ先に大人にならなきゃいけない彼を見てると胸が痛い。
女1男2の三角関係は、少女漫画的で、
これが少女漫画だったら、このはた迷惑なヒロインは非難ごうごうだと思うのだが、
どちらとも結ばれないと思うと寛容になれますな。

2話めでテンション下がってしまったけど、
前提知識がないために先は気になるので、とりあえず来週も見ます。
小林薫と猫の組み合わせが地味に癒し。
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10:鳥居恒夫・高林成年 『植物園へ行きたくなる本』

2017-01-14 14:14:16 | 17 本の感想
鳥居恒夫・高林成年『植物園へ行きたくなる本』(リバティ書房)

【Amazonの内容紹介】

植物園とはどの様な所か、どの様な植物園があるのか、
どの様に植物を集めているか、植物園の四季、年中行事の楽しみ方など
植物園の見どころをその道の専門家が紹介。
近くの植物園に一度でかけてみて下さい。

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全部は読んでいないので、好み度★はなし。
公園や緑地、研究所など、植物園とよく似たところでを挙げて
比較しながら、植物園を定義しているところが面白い。
それぞれの時期の見どころも紹介されていて、
知らないことがたくさんあった。
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9:佐々木典士 『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』

2017-01-14 10:15:33 | 17 本の感想
佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -』(ワニブックス)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

モノを最小限に減らすミニマリストという生き方。
常識にとらわれない豊かな暮らし。

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おもしろかった。
物を整理するモチベーションは上がった。

商品の種類がたくさんあると買われない、という話、
よくわかる。
おそらく名古屋ではいちばんの繁華街のA地区には、
たくさん店があるのに、昔からなぜかそこで買い物する気が起きず、
そこより遠いのに、いくつかの店がコンパクトにまとまっているB地区で
いつも買い物をしてしまう。
たくさんあると、移動だけでなく、選ぶこと自体が面倒くさいんだ。

それにしても、Amazonレビューでもtwitterでも、
どうしてこう、
「自分はそうじゃないから、お前の言ってることはおかしい」
みたいなことを書く人が多いんだろう。
昔からこうだったかなあ。


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8:鯨統一郎 『作家で十年いきのびる方法』

2017-01-14 09:58:12 | 17 本の感想
鯨統一郎『作家で十年いきのびる方法』(光文社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

十七年の投稿生活を経て、『邪馬台国はどこですか?』で
デビューした伊留香総一郎。
好評に迎えられ、ヒット作となったことで、自信を深めた彼だが、
ある夜編集者からかかってきたのは、
預けていた長編の原稿をボツにするという電話だった…。
一作ごとに浮き沈みする評判に悩まされながら、
多くの作品を手掛けつづけてきた著者が気づいた、
「作家で十年いきのびる方法」とは?
『努力しないで作家になる方法』で多くの同業者の共感と感動を呼んだ著者が、
デビュー後の奮戦の日々をほぼノンフィクションで描く、
禁断の自伝小説・プロ作家編!

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『努力しないで作家になる方法』の続編となる自伝的小説。
後半、山場らしい山場がなく淡々と進むというのもあって、
前作ほど引き込まれはしなかったけれど、
著者が非常に精力的に作品を発表していたこと、
それぞれの作品をどのように思いついて形にしていったのかということがわかり、
ファンにはうれしい一冊になっている。
自著のブックガイドとしても機能していて、
「おもしろい発想だなあ」と読みたい本リストにいれたものもいくつか。

「本当に上手な文章は、文章を意識させない」
とわたしは思っているのだけど、この作家さんの文章もその通りで、
この本の中で「できるだけ読点を使わない」と書かれているのを読んで、
初めて読点が少ないこと、文章が非常に読みやすいことに気づいた。
わたしは、音読したときに息切れする文節の切れ目に読点を入れていて、
読点がないとむしろ読みにくいのだと思っていたけれど、
この作家さんの文章はまったくそれが気にならない。


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7:中島京子 『小さいおうち』

2017-01-11 18:07:31 | 17 本の感想
中島京子『小さいおうち』(文藝春秋)
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

昭和初期、女中奉公にでた少女タキは
赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。
だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、
戦争の影もまた刻々と迫りきて―。
晩年のタキが記憶を綴ったノートが
意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が
深い余韻を残す傑作。
著者と船曳由美の対談を巻末収録。

**************************************

読んだのはハードカバー版。

大好き!!!

年老いたタキがノートに綴る回想で話は進む。
ふわふわしたお嬢様育ちの奥様と彼女に惹かれるタキの関係、
奥様のひそやかな恋、そして最終章でもたらされる混乱。
読了して一日たっても、胸が苦しい。
「小さいおうち」の幸福だった時代の美しいイメージも
くっきりと脳裏に残っている。

アマゾンレビューを読んでいて気付いたのだけど、
なぜこんなに好きなのかと思ったら、これ、
「枕草子で清少納言がつづった、彼女と中宮定子の関係と、彼女たちのその後」
と構造が同じなんだ。

映画の方も見てみよう。


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6:竹内清文 『8割捨てれば うまくいく! 人生を変えるガラクタ整理法』

2017-01-09 18:54:37 | 17 本の感想
竹内清文『8割捨てれば うまくいく! 人生を変えるガラクタ整理法』(PHP研究所)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

持っている服の何割を着ていますか? 
使っていない食器がどれだけありますか? 
読まない本、二度と見ない資料、捨てられない思い出の品……。
人は持ち物の2割で、生活の80%をまかなっている(8:2のルール)
――つまり、持ち物の8割を捨てても、それほど生活に支障はないのです。
むしろ、使わないもの(=ガラクタ)は、私たちの心理に微妙に影響し、
後ろめたさ、恥ずかしさ、落ち込み、焦りといった負のダメージを与え続けます。
本書は、風水整理術の第一人者カレン・キングストン直伝の
ガラクタ整理術を、より平易に解説したものです。
古いものを手放せば、新しいものを受け取るスペースが生まれます。
やりたくてもなぜか手につかなかったことが、できるようになります。
過去の恋愛や人間関係に引きずられなくなり、新しい出会いに恵まれます。
持つことから持たないことへ
――生き方の転換で本来の自分が輝き始めるのを、どうぞ実感してみてください。

**************************************

片づけのモチベーションアップのために読んだ。
スピリチュアル色は強いけど、ベースになっているのは
カレン・キングストンのメソッドなので、
あちらが大丈夫な人は抵抗をあまり感じないかも。
(わたしも平気だったけど、「赤色の服を着て片付けろ」には白けた)

特に目新しいことは書かれていないのだけども、
読むとモチベは上がる。
卒業アルバムを捨てたいんだよなー。


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