金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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大河ドラマ『いだてん』#41

2019-11-03 20:44:17 | 大河ドラマ「いだてん」
東京オリンピック開催に向けて邁進するものの、
まーちゃんと政治家との間に軋轢が生じ、
不穏なムード。

功名心からオリンピックに一枚かもうとする
政治家のひとり・自民党幹事長の川島は、
都知事選のときにまーちゃんに
「貴様らが無能だからだ!」
と罵られたこともあって、
自分を立てないまーちゃんを外そうとしている様子。

目立つ場所にしかやってこず、
資金を集めるための賭博には反対、
非難されれば「国は手を引く」と圧力をかける。

それでも屈せずに
「小役人風情が!」
と暴言を吐くまーちゃんだけど、
ラストの川島がさらなる妨害をしてきそうなムードで
不穏……。
平和な時代だというのに、
今まででいちばんやっかいな事態になるんじゃないかと思わせる。

まーちゃんが、ロスオリンピックの感動を胸に、
オリンピックへの思いをどんどん純化させているからこそ
川島の悪役ぶりが際立つな。
まーちゃんは誰に対しても無礼だけども、
エライ先生方にとってそんな相手は滅多におらず
許せんのだろう。


【その他いろいろ】

・バレーボールのコーチが生徒に罵声を浴びせたりセクハラしたり、
 馬面だから「ウマ」なんて名前を選手につけたり。
 今の感覚に合わせて、登場人物に非難させてたけど、
 こういうのを「良くない」と批判する感覚って
 当時はなかったんだろうな。
 自分が子どものころですら、
 今だったら大問題になりそうなふるまいを教師もしてたもの。

・「商社マンやめて専属スタッフになってよ!」
 と岩田に言うまーちゃん。
 「自分にも生活が」と言う岩田だけど、
 結局そのとおりにしたのね。
 そうだよね、やるかやらないかは相手が決めることで、
 まーちゃんが自分の希望を言うのは自由だものね。

・若い時の岩田の写真がイケメンすぎてびっくり!

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映画:『HiGH&LOW THE WORST』

2019-11-01 23:01:46 | 映画の感想
2019年の映画⑧:『HiGH&LOW THE WORST』(久保茂昭 監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイのあらすじ】

SWORD地区の“O”に当たる別名“漆黒の凶悪高校”こと鬼邪高校は、
定時制と全日制に分かれていて、
定時制の番長である村山良樹(山田裕貴)がトップに君臨している。
全日制に転入して来た花岡楓士雄(川村壱馬)は、
まず全日制制覇を目指し、
いつか村山に1対1の勝負を挑む日を待ち望んでいた。
そしてSWORD地区の隣町である戸亜留市では、
リーダーの上田佐智雄(志尊淳)をはじめとする
最強メンバーを有する鳳仙学園の勢いが増していた。

*****************************

最近までこのシリーズの存在をまったく知らず、
ファンである人の熱烈な感想を見て
見てみようかな~と思った次第。

事前のイメージは、
「イケメンを取りそろえた不良マンガかな」
くらいのもの。



なんだこの無法国家(呆然)


シリーズ最新作からいきなり見たせいか、
自分の生きてる世界とはあまりにも異なる価値観で
動く登場人物についていけない……。
ファンタジーとかSFよりも、登場人物と自分の間に
価値観のズレがあるからね!
「高校とは……?」
みたいになるから!

暴力沙汰を目撃した女子高生がどこかに電話したり、
傷ついた仲間を見て「救急車呼べ!」って叫んだりしてるのに
違和感を覚えたくらい。

この作中世界、警察も教師も福祉も存在しないだろ!!


しかしまあ、作中世界にチューニングできたあとは
おもしろかったよ。
ファンがつくのがわかった。
キャラクターだったりその関係性だったりに
細かく設定が作ってあるのがわかるし、
登場人物が多いわりに、そのあたりをおざなりにせずに
ちゃんと見せている。
よくわからないなりに好きになっちゃうキャラクターや
関係性が多かったもの。

スポーツもので、学校別のチームがあって、
それぞれにファンがつくのと似てるし、
「昨日の敵は今日の友」みたいになるのも
少年漫画っぽい。

「このキャラ、必要か?」と思った疑問は、
シリーズ通してみればわかるのかと思ったのだけど、
調べてみたら、過去作には出てきてない人物が多い……?


客層は、同日に見た『ジョーカー』とは明らかに違っていて、
若い女の子や、ちょっと派手な感じの男の子が多い。
EXILEの映画なのだとあとから知って、納得。
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映画:『ジョーカー』

2019-11-01 22:41:18 | 映画の感想
2019年の映画⑦:『ジョーカー』(トッド・フィリップス 監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイのあらすじ】

孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、
母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を
心に刻みコメディアンを目指す。
ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、
同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。
そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、
底辺からの脱出を試みる。

*****************************

※ネタバレ注意。





『バットマン』をちゃんと見たことがないので、
ジョーカーがバットマンの悪役だということも知らなかった。
しかし、知らなくても問題のないつくりだったと思う。

この映画の公開に際し、
「アメリカで警察や軍が警戒態勢に入った」
というニュースを事前に目にしていたのだけど、
わかるわ~。

心の病を抱え、学歴もお金もなく、人に馬鹿にされたり
理不尽な暴力を振るわれたり。
何もかもうまくやれなくて、あまりにも生きづらい状況を
理解もしてもらえず、大事なお母さんさえ実は……

と、主人公に感情移入してしまうがゆえの
ストレスがすごい。
そして、見ているうちに、自分も

「自分を無下に扱ったあいつも、
 馬鹿にしたあいつも、まとめてぶっ殺してやる!!」

みたいな気分になるもん……。
日本でヒットしてるのもわかるよ……。


制度としては失われても、
社会には階級がいまだに存在していて、
裕福な人間、成功者には、
貧乏や、働くこともできない人間の存在が
見えないような仕組みになっている。
見えていても、そういう人を
踏みつぶしてもいいような感覚になっている。
そのことに追い詰められていく主人公の姿が
本当に苦しい。
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