疑惑その3であるが、その風上に位置する本来の火元であろうと目されている老中阿部家から、以降200年にわたって、火事の死者に対する回向供養料が納められ続けたことである。なんと関東大震災のころまで払われていたというのだから驚きである。しかも奇異なのは本来、明暦の大火の死者を供養するために回向院が建てられたのであるから、実際はそちらに供養料が払われるのがスジであるが、ここで本妙寺に払われたというのだからますます疑惑である。
疑惑その3であるが、その風上に位置する本来の火元であろうと目されている老中阿部家から、以降200年にわたって、火事の死者に対する回向供養料が納められ続けたことである。なんと関東大震災のころまで払われていたというのだから驚きである。しかも奇異なのは本来、明暦の大火の死者を供養するために回向院が建てられたのであるから、実際はそちらに供養料が払われるのがスジであるが、ここで本妙寺に払われたというのだからますます疑惑である。