診察室に通すと、勧めもしないのにいきなりその営業男は自分から患者のいすに座りこんだ。普通は「勧められても営業マンはめったにいすに座らない」と思うのだが、この男はやはりきちんとした営業教育を受けていない、いわゆる「流しの契約社員」と感じた。次には許可なく診察机に資料を広げ、「地下鉄〇〇駅の電気看板広告は1日何千人の乗降客があって・・・」と説明を開始した。まあ確かに季節の挨拶や来訪の経緯など杓子定規な前振りに耳を傾けるほどこちらは気は長くないので、それはそれでいいのだが、それにしても相手お構いなしに話を続けるのでまいった。