A教授とは学会を通じて面識もあり一緒に会食したこともある。彼の発表内容をTVでみていたが思考背景が同じであることに我が意を得たりという感じであった。その後、着々とAEDは市中に普及し、マラソン大会で発症した心肺停止も救命されるようになった。実はこのマラソン大会でAEDを装備してコースを巡回するシステムを日本に定着させたのはK大学の救急医である T教授の努力からである。まさにタレントの松村邦洋氏が心室細動から生還したのは「奇跡」の生還ではなく、「狙い通り」の生還なのである。現在スポーツジムやプールなどにもAEDが配備されることが多くなった。プロのサッカーなどのスポーツチームには高血圧、糖尿病、高脂血症などを抱えたハイリスクな選手はおそらくいない。だから彼らにAEDを携行させるかどうかは異論があるところである。しかしながら今一層、全国津々浦々にAEDを普及させるためには、マスメディアでの発表は「心筋梗塞」ではなく「心室細動」にしてほしかったのである。残念である。えっ、うちにAEDですか? もちろんありますよ(笑)。