外科開業医だけでは実は診療所経営はやっていけない。同時に内科系の患者さんもみないとやっていけないのである。これは医療保険行政がそうさせているのである。幸いというか何というか、うちは内科の患者さんだけでなく、ケガをして縫合が必要な患者さんは比較的多く来院する。しかしながら増えてきたのはここ数年であり、開業当初はほとんど縫合が必要な患者さんは来院せず、縫合キットが開封されることはなかった。やはりこの辺りは口コミなんであろうか徐々に外傷患者さんが増えてきた。しかしそれでもケガの患者数は波があり来ないときは1週間以上一人も来ないこともある。定時収入が望めないので外科の看板一つではやっていけないのである。父の代の「吉田外科」の看板を変えた理由はここにある。まあそれでもようやく何とか外科専門医を更新できるくらいの例数を数えるようになってきた。縫合処置はなかなか個人差があって一応に「できあがり」がうまくいくとは限らない。単調な外来業務の中で、唯一アドレナリンがでる作業なのである。