吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

低血糖裁判 その3

2012年03月26日 06時19分32秒 | インポート

 処置台の上の傷病者は座位で丸くなって唸っている。眼は開けてキョロキョロして処置室の中を見ているが問いかけても犬が唸っているようだ。診察しようとすると嫌がって診せてくれない。とりあえず頭部外傷痕はなさそうである。診察や検査はさせてくれそうにもなく途方にくれた。とりあえず傷病者のカバンの中を見たらなんとインスリンを発見した。ハッ! そうか・・・と思って、嫌がる患者をスタッフ全員で抑えつけて静脈路を確保した。そこからブドウ糖液を注射しはじめて数分・・・。見る見るうちに患者の状態は改善してきた。「・・・えっ?あれ? ここはどこですか? 僕は何をしていたのですか?」とおとなしくなった。