吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています

低血糖裁判 その5

2012年03月28日 06時58分36秒 | インポート

 それにしても、自分が診てもこの原因は何?と困ってしまうような、それほど多彩で判断の難しい低血糖症状を、いともたやすく非専門家である検察当局が「仮に低血糖症だったとしても、意識は十分に保たれており、合理的な判断が可能だった」といいきれるその自信が不思議でならない。その言い切れるだけの根拠はどこにあるのか。おそらくは何がしかの鑑定医を選任してその専門医とやらの意見に基づいた主張なのであろう。このように判断した鑑定医はおそらく多彩な低血糖症状をみたことがなかったのであろうか? とにかく「低血糖症でも合理的な判断が可能」という理屈はおかしい。低血糖状態であれば脳細胞のミトコンドリアが十分機能しないので脳機能は少なからずおかされるはずである。低血糖で合理的判断ができるという根拠がまったく不明なのである。