そういえば昔、自分が勤務していた病院の同僚の先生が医療裁判の渦中にはまったことがあった。原告側の弁護士が最終的に患者のなくなった部署である集中治療室の看護記録を逐次眺めながらこう述べたそうである。「ここであなたはトイレにいきましたね・・・、ここで約30秒ほど患者のそばから離れましたね・・・、このときあなたは仮眠していましたね・・・」などと患者の状態が安定しているときにもかかわらず患者の傍らに接していなかったことを状態悪化の原因として意味付けようとしたのである。つまり24時間365日当該患者の傍らに医師がいなければそれはすべて義務違反となるといってきたようなのである。