まあ法的には嘱託医(かかりつけ医)がどこに在住しようと縛りはない。こちらも近場の施設なので依頼があれば往診もやぶさかではない。しかしこのかかりつけ医はおそらく在宅支援診療所の認可を受け(うちも取得しているが)、そして訪問診療料を毎月とっているはずである。だとするなら緊急対応もこの医師の義務範囲になるはずである。ここで自分がしゃしゃり出ていいものかどうか迷ったが、とりあえずは往診に行った。職員の話では「嘱託医は他県に住んでいらっしゃるので、週に1回しかきません。緊急対応はほとんどできない状況です」と。また事務長からの話では「このようなことがあるので近場の先生にかかりつけをお願いしたいのですが親会社が医師を探してきて契約するので、我々現場のスタッフはいざというとき困っているのです」と。事務長はなおも続けた。「今後、会社のほうにはかかりつけ医の選択には地元優先でお願いするよう要望を上げます。もしそれが通れば先生に嘱託医をお願いしたいのですが如何でしょうか?」とのこと。こちらとしては近隣の施設でもあり地域のお役に立てることが開業医の務めと考えているのでもちろんOKした。