しかももっと唖然としたのは、東電病院は社員とその家族しか診療しないそうである。いまどき職域病院とはいえ社員と家族の診療しかしない医療施設などない。しかもベッド稼働率は20%と聞いた。このような経営であれば、通常、普通の病院であれば間違いなく半年も持たずに潰れてしまう。間違いなくこれらの毎月の赤字は(安心して)親会社から補填されているはずである。まさに無駄遣いである。通常どこの病院もベッド稼働率は90%以上にしている。なおも翌日の昼入院予定の予約ベッドに前日夜の救急患者を入院させ、当日朝に他の病棟で退院した患者の空いたベッドに半日でもいいからこの救急患者を転床させるというようにしている。さながら新幹線の空席情報管理のように空いたところに少しでも入れるという形で最大限ベッドを有効利用させているのである。しかしここまで努力してこれでも潰れてしまった病院もあるのである。今の保険点数制度ではよほどの経営努力をしないとやっていけないというおかしな世の中なのである。そしてもっておかしなことは、「ベッド稼働率20%、社員以外診ません」でやっていける病院が存在するということである。まさに羨ましい限りである。