吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

医療ドラマの功罪 その3

2013年01月22日 07時02分34秒 | インポート

自分がいざ開業するときにある開業セミナーに参加した。経営コンサルタントの講演を聴いた。「現在、医療において医師も経営に参加して経営努力をしないと潰れる時代です。医療だけやって生活できる時代ではありません」と釘を刺された。そうである。時代はかわったのである。医療とはタダで無尽蔵なのではない。その経済的および人的リソースには限界がある。医療の内容も30年前とは格段に変化している。確かに医療哲学は真理としては正しいのかもしれないが、現実にそれを100%実践してそのまま潰れずに、そして人との摩擦なく続けられるかは疑わしいのである。そこにきて最近の医療系ドラマのシナリオである。最終的には、正しい?医療哲学を押し通す主人公が何となく正しいのであるというように「勘違い」させるシナリオ作りには、どうも自分には胡散臭い道徳的思想誘導を感じてしまうのである。