吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

コッツン頭部外傷 その5

2013年01月29日 06時54分42秒 | インポート

 ついこの間、雪のときである。初老の男性が来院した。「昨日雪の上で転倒して頭を打った。周りの人が『すごい音がしましたよ』と教えてくれたんです」と。 「教えてくれた」というのは自分では覚えていないのだろうか? もしかして脳震盪(一過性意識障害)もあったかもしれない。しかし「意識は失いましたか?」の質問には「あ すぐわかりましたよ」としか答えず意識障害の有無は本人はっきり「yes」とは言ってくれない。頭皮をみても打撲痕やコブはない。現在は軽い頭痛のみで神経学的異常所見は全くないのである。いつもならこれ以上の検査はせず「家で様子見てください」で終わりなのである。しかし既往症で心臓の冠動脈にステントが入っており抗血小板薬を服用していた。つまり血が固まらないようにする薬である。なぜか嫌な予感がした。そこで頭部のレントゲンを撮影してみた。すると・・・